現在地
ホーム > マーケット情報 > レポート・コラム&コメント > FX > 石原順「外為市場アウトルック」 > 第406回 「世紀の空売り対象は?新・旧債券の帝王の警鐘」

「外為市場アウトルック」一覧へ

2015年7月2日

第406回 「世紀の空売り対象は?新・旧債券の帝王の警鐘」

相場のリスク/リターン比

筆者はブログでも書いたように、先週6月26日金曜日までは、主にドル/円の1時間足を観ながら大きなポジションで売買を続けていた。しかし、この日の日本時間20時~23時にドル/円1時間足が13時間エンベロープ+0.3%付近に到達したのを最後に、ポジションをいったん売却し、その後は小さなポジションで短期の売買を続けている。

ドル/円(1時間足) 13時間エンベロープ
上段:13時間エンベロープ±0.3%バンド(黄)・±0.6%バンド(緑)
下段:26時間標準偏差ボラティリティ(緑)

(出所:楽天FX マーケットスピードFX)

下のチャートは昨日の夕方のドル/円が122円70銭付近で推移していた時のチャートだが、

「これは13時間エンベロープの+0.3%までは戻るな」と思ってポジションを取った。このような短期の売買は続けているが、基本的に相場の上は買いたくないと考えている。

125円の黒田ライン、ギリシャ・プエルトリコ・ウクライナなどの債務危機問題、暴走型のバブル相場となっている上海株の20%以上の急落などを考えると、ここで大きなポジションを持ってもリスク/リターン比から見て割が合わないからだ。

ドル/円(1時間足) 13時間エンベロープ
上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13時間エンベロープ±0.3%(青) ±0.6%(赤)・9時間RSI(鈍感バージョン)40-60 桃色=買い相場・水色=売り相場

(出所:DVD 『相場で道をひらく ~標準偏差ボラティリティトレード~
トレードツール1)

新・旧債券の帝王の警鐘

新債券の帝王と呼ばれ、金利の予測を的中させている米国の著名ファンドダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラックは6月29日に、「ギリシャとプエルトリコの債務危機に関する新たな動向を見越し、前週末26日に大量の米国債と連邦政府抵当金庫(ジニーメイ)のモーゲージ担保証券(MBS)を購入したことを明らかにした。ギリシャの支援協議が決裂し同国のデフォルト(債務不履行)の可能性が高まったことで、米国債はこの日大幅高となり、利回りは1週間ぶりの水準に低下した。ガンドラック氏は、仮に利回りの上昇が加速したとしても、高利回りのジャンク債(投機的等級債)や新興国の債券は米国債のパフォーマンスを下回るため、米国債やジニーメイのMBSへの投資を行なったと」発言している。(『ガンドラック氏、前週末に米国債・ジニーメイMBS大量購入』6月29日 ロイター報道)

ハイイールド債ETF(日足) ジャンク債市場も上昇に陰りが・・

(出所:石原順)

ジェフリー・ガンドラックは中国株のチャートが1999年~2000年のナスダックの動きに似ていると指摘している。チャート的には日本の1980年代後半のチャートにも似ている。「世紀の空売り」に動くファンドが出てきてもおかしくないだろう。

ドイツの金利急騰を的中させた米運用大手ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロスが「次の空売りのターゲットは深圳(シンセン)指数」であるとツイートしてから、どうも中国株の動きがおかしい。現在、ジョージソロスが運用を委託しているという噂のビル・グロスは、「中国は信用が拡大しすぎている。中央銀行バブルに慣れきって、投資家は長い間試練を与えられてこなかった」と語り、投資家が相場をなめてしまっていることに警鐘を鳴らしている。

上海総合指数(日足)恐怖と欲望のゲーム・・高値から2割以上の下げで恐怖相場が進行中
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ(緑)

(出所:石原順)

なぜ、ドル/円をメインに売買するのか?

最近、「なぜドル/円のような動かない通貨をメインに売買しているのですか?」とよく聞かれる。下のドル/円のチャートをみれば、2015年のドル/円相場は凪相場といってもよいだろう。ドル/円だけ取引していては、収益機会は限られるように見える。

ドル/円(日足)
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

2015年の日本市場はPKO相場でドル/円は127円、日経平均は22000円あたりまでは上がるだろうというのが海外投機筋の読み筋だ。

ドル/円がなぜこんな低変動相場になっているのかと言えば、当局のPKOが入るゆるい管理相場になっているからである。PKO相場は下値を押さえてしまうので上値も限られる。しかし、筆者にとっては下値が堅いというのは大きな安心感なのである。(少なくとも公的資金の玉がきれるまでは・・)また、ドルはさほど上がらないだろうが、日米の金融政策の方向性の違いから、大幅な円高も考えにくい環境にある。

ドル/円(月足) 127円あたりまではあるだろう・・

(出所:石原順)

ドルインデックス(月足) ドルが安い時代は終わった?

(出所:石原順)

下値に硬直性があり、あまり動かない相場で機能するのは押し目買いだ。日足ベースで押し目を待っていては、収益機会が限られる。だから筆者は1時間足での売買をメインにしているのである。下半期もこの売買手法で臨んでいくつもりだ。

ドル/円(日足) 13日エンベロープ
上段:13日エンベロープ ±1%バンド(黄)・±2%バンド(緑)
下段:26日標準偏差ボラティリティ(緑)

(出所:楽天FX マーケットスピードFX)

ドル/円(1時間足) 13時間エンベロープ
上段:13時間エンベロープ±0.3%バンド(黄)・±0.6%バンド(緑)
下段:26時間標準偏差ボラティリティ(緑)

(出所:楽天FX マーケットスピードFX)

標準偏差ボラティリティやエンベロープを使った売買手法については、『DVD 相場で道をひらく7つの戦略 ──標準偏差ボラティリティトレード』(石原順) で解説している。興味のある方は、ぜひお買い求めください。

『DVD 相場で道をひらく7つの戦略 ──標準偏差ボラティリティトレード』(石原順) の予約販売が楽天ブックスで始まりました。
楽天ブックスで2,160円(16%)OFF!の割引価格で予約受付中です。

日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

石原順

「外為市場アウトルック」

海外のヘッジファンドを運用する現役のファンドマネジャーが、相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークを利用した「生」の情報を提供いたします。

新着レポート

ハッサク

FX 2017/05/24

フランスの国民議会選挙

ハッサク「ハッサクのなるほど為替超入門」

堀古英司

海外株式 2017/05/24

アップルとグーグル、5年後の検証と今後

堀古英司「ウォール街から~米国株の魅力~」

吉田哲

コモディティ 2017/05/24

商品先物取引入門講座「ドル建てと円建て」

吉田哲「商品先物取引入門講座」

窪田真之/香川睦

国内株式 2017/05/24

消化不良のロシア疑惑 今後の展開は?(窪田真之)

窪田真之/香川睦「3分でわかる!今日の投資戦略」

出島昇

国内株式 2017/05/23

アメリカの政治リスクを前に、19,500〜20,000円の中での日柄調整続く

出島昇「柴田罫線をベースとした相場分析」

池水雄一

金・プラチナ 2017/05/23

米政治ドラマは続く ほか

池水雄一「他にはない特別な金のレポート Bruceレポート拾い読み!」

土信田雅之

国内株式 2017/05/22

「アイランド・リバーサル」と「ブロードニング・フォーメーション」

土信田雅之「テクニカル風林火山」

出島昇

国内株式 2017/05/22

「柴田法則」個別銘柄分析 5月第4週

出島昇「柴田法則個別銘柄分析」

福永博之

先物取引 2017/05/22

引き続き5日移動平均線上を回復できるかが持ち直しのカギ

福永博之「週間先物テクニカル分析」

今中能夫

国内株式 2017/05/19

決算コメント:東芝、ルネサス、小野薬品

今中能夫「楽天証券投資Weekly:セクター・投資テーマ編」

外国為替証拠金取引のリスクと費用について

外国為替証拠金取引にかかるリスク
外国為替証拠金取引は、取引通貨の価格変動や、スワップポイントの支払いにより、損失が生じるおそれがあります。また、外国為替証拠金取引は少額の証拠金で、その差し入れた証拠金を上回る金額の取引をおこなうことができ、大きな損失が発生する可能性があります。また、その損失額は差し入れた証拠金を上回るおそれがあります。
外国為替証拠金取引にかかる費用等
外国為替証拠金取引の取引手数料は無料です。なお、取引にあたっては各通貨の売付価格と買付価格には差(スプレッド)があります。スプレッドは通貨ペアごとに異なります。
委託証拠金について
外国為替証拠金取引をおこなうには、通貨ペアごとに、取引金額の4%(最大レバレッジ25倍)の証拠金が必要となります。 (法人のお客様の場合は、取引金額の1%(最大レバレッジ100倍)となります。)