現在地
ホーム > マーケット情報 > レポート・コラム&コメント > お金にまつわるお役立ちレポート > 足立武志「個人投資家なら誰もが知っておきたい「相続」の基礎知識」 > 第22回 これだけは知っておきたい・相続対策の定番「養子縁組」の効果と注意点(その1)

足立武志「個人投資家なら誰もが知っておきたい「相続」の基礎知識」一覧へ

2016年12月16日

第22回 これだけは知っておきたい・相続対策の定番「養子縁組」の効果と注意点(その1)

相続対策として定番の1つである「養子縁組」。様々なプラスの効果をもたらす半面、取り扱いを誤ると争いの大きな原因になったりします。今回と次回で、最低限知っておきたい内容を取り上げていきます。今回は主にメリットについてです。

「養子縁組」とはなにか

「養子縁組」とは、養子と養親(養子縁組における養子の義理の親)との間に親子関係を設けることを言います。

養子縁組には、「特別養子縁組」と「普通養子縁組」の2つがあります。特別養子縁組とは、戸籍上実子(実の子ども)と実親(実の親)との関係を断ち切り、養親が養子を実子として迎え入れることを言います。普通養子縁組とは、実子と実親との関係は引き続き維持したまま、新たに養親との親子関係も持つという形態です。

普通養子縁組をした場合、養子からみれば、養親の相続人にもなりますし、実親の相続人にもなります。

通常、相続対策として用いられるのは「普通養子縁組」です。そこで、本コラムでは特に断りのない限り、養子縁組は「普通養子縁組」のことを指すという前提で話を進めていきます。

「養子縁組」の効果(法律面)

民法の面からみた養子縁組の最大の効果は、養子を「法定相続人」にすることができるという点です。

よくあるのが、娘婿や孫を養子に迎え入れるというものです。自分自身に子どもがいる場合、子どもは相続人になりますが、子どもの配偶者や、孫は相続人になりません。

相続人でない人に対しては、遺言書において遺贈をするか、死因贈与をしない限りは、遺産を相続させることはできません。でも、養子にしておけば、相続人として扱われることになりますから、遺産分割協議に参加して遺産を相続することもできますし、遺留分も確保することができます。

また、自身に配偶者も子どももいない場合、兄弟姉妹が相続人になりますが、財産を兄弟姉妹ではなく他の親族などに渡したい、というときも養子縁組が有効になります。養子は子として扱われるため、相続人が兄弟姉妹ではなく養子に切り替わるからです。

民法と相続税法のルールの混同に注意

なお、非常に多いのが、「養子は1人までしか入れることができない」という勘違いです。これは、相続税の計算上、相続人としてカウントできる養子の数が、実子のある場合は1人まで(実子のない場合は2人まで)というルールが頭にあるからだと思われます。

でも、民法上は、養子の人数には制限はなく、何人迎え入れても構いません。「1人まで」というのは、あくまで相続税計算上のルールに過ぎませんので注意してください。

また、被相続人の配偶者の実の子供で被相続人の養子となっている人や、被相続人の実の子供、養子又は直系卑属が既に死亡しているか、相続権を失ったため、その子供などに代わって相続人となった直系卑属(子供や孫)は、相続税の計算上、制限なく相続人の数に加えることができます。

このあたりの仕組みは、やや複雑ですので、疑問な点があれば専門家に相談することをお勧めします。

「養子縁組」の効果(税法面)

相続税の計算上、「養子縁組」をすることでいくつかのメリットがあります。例えば、相続人が増えるため基礎控除額が増加します。

ただし、民法上は何人でも養子を設けることができますが、それでは税法上いくらでも節税ができてしまいます。そこで相続税の計算上は、実子がいるときは1人まで、実子がいないときは2人までと、養子の数に制限を設けています。

でも、養子が1人増えるだけで、基礎控除額が600万円増加します。さらには、生命保険金の非課税枠500万円と、死亡退職金の非課税枠500万円も加えると、最大で1,600万円の相続財産圧縮効果があります。

さらには、相続税の計算の仕組み上、相続人の数が多い方が税額は安くなりますから、養子縁組をすることにより相続税額を減らすことにつながります。

養子縁組により減少するのは相続税額だけではない

例えば、財産額2億円、相続人が子ども3人の場合と、養子を1人迎え入れて子ども4人になった場合を比較してみましょう。

  • 相続人が子ども3人の場合:約2,460万円
  • 相続人が子ども4人の場合:約2,120万円

このように、養子を1人設けることにより、相続税が340万円少なくなります。

相続税の面からは、例え1人でも養子を設けることによる効果は大きなものになりますが、メリットは相続税だけにとどまりません。詳細は割愛しますが、贈与における各種特例も、養子縁組することで使用可能になります。相続登記を行う際も、養子縁組をしておいた方が登録免許税が大きく軽減できたり、不動産取得税が無税になったりします。土地を多く所有している方にとっては、かなりのメリットになります。

「孫養子」の税務上のメリットと注意点

相続対策で非常によく用いられるのが、孫を養子にすることです。これを一般に「孫養子(まごようし)」と呼びます。

通常、祖父母から孫に財産を相続するまでには、祖父母世代と親世代の2世代の相続を経る必要があります。しかし、特に資産家にとっては相続税の税率は非常に高いですから、相続を2代経ることで、孫に引き継ぐことのできる財産がかなり目減りしてしまいます。

しかし、「孫養子」を設けることで、孫も相続人になりますから、1回の相続で孫に財産を受け継がせることができます。ただし、相続税の計算上、1つ注意すべき点があります。孫養子の場合、相続税額が2割アップするという点です。

相続税が2割アップになっても孫養子にして1回の相続で財産を渡す方が税金面で有利なのかどうか、公認会計士・税理士にシミュレーションしてもらったうえで判断するようにしてください。

<おしらせ>

Facebookページを開設しました。コラムやブログ更新のお知らせ、セミナーのご案内の他、話題の資産運用関連や相続関連のニュースに対する筆者のコメントなども記載しております。ぜひご覧いただき「いいね!」を押していただければ幸いです。

公認会計士・税理士足立武志 Facebookページ

公認会計士足立武志ブログ

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

足立武志

個人投資家なら誰もが知っておきたい「相続」の基礎知識

誰もがいつかは経験する相続。
相続をスムーズに進め、効果的な相続対策を実行するために最低限知っておきたい知識や情報を厳選して解説。
公認会計士・税理士かつ個人投資家だからこそお伝えできることがあります。

新着レポート

土信田雅之

国内株式 2017/03/27

トランプ相場が「期待」から「リスク」に変わるとき

土信田雅之「テクニカル風林火山」

出島昇

国内株式 2017/03/27

「柴田法則」個別銘柄分析 3月第5週

出島昇「柴田法則個別銘柄分析」

広瀬隆雄

海外株式 2017/03/27

アパレル・セクターについて

広瀬隆雄「わかりやすいグローバル投資レポート」

福永博之

先物取引 2017/03/27

75日や25日移動平均線上を回復できるか要注目

福永博之「週間先物テクニカル分析」

窪田真之/香川睦

国内株式 2017/03/27

序盤から失点のトランプ政権 致命傷は回避(窪田)

窪田真之/香川睦「3分でわかる!今日の投資戦略」

今中能夫

国内株式 2017/03/24

特集:自動車セクター(スズキ、富士重工業)

今中能夫「楽天証券投資Weekly:セクター・投資テーマ編」

吉田哲

コモディティ 2017/03/24

減産連合vs米国増産、伏兵の“第4極”に注目

吉田哲「週刊コモディティマーケット」

香川睦

投資を楽しむ 2017/03/24

今月の格言「もうはまだなり まだはもうなり」

香川睦「マンガでわかる相場格言 投資のお作法」

足立武志

ライフ 2017/03/24

生命保険活用のウラ技!「保険料贈与プラン」で税負担を軽減する方法とは(その1)

足立武志「個人投資家なら誰もが知っておきたい「相続」の基礎知識」

足立武志

国内株式 2017/03/23

なぜ個人投資家は難しい銘柄に投資してしまうのか?~シンプルな投資のススメ

足立武志「知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識」

国内株式のリスクと費用について

株式等のお取引にかかるリスク
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
信用取引にかかるリスク
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
貸株サービスにかかるリスクおよび費用
  • リスクについて
    貸株サービスの利用に当社とお客様が締結する契約は「消費貸借契約」になります。株券等を貸し付けいただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。
  • 当社の信用リスク
    当社がお客様に引き渡すべき株券等の引渡しが、履行期日又は両者が合意した日に行われない場合があります。この場合、「株券等貸借取引に関する基本契約書」に基づき遅延損害金をお客様にお支払いすることになりますが、履行期日又は両者が合意した日に返還を受けていた場合に株主として得られる権利(株主優待、議決権等)は、お客様が取得できないことになります。
  • 投資者保護基金の対象とはなりません
    なお、貸し付けいただいた株券等は、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分別保管の対象とはならず、投資者保護基金による保護の対象とはなりません。
  • 手数料等諸費用について
    お客様は、株券等を貸し付けいただくにあたり、取引手数料等の費用をお支払いいただく必要はありません。
  • 配当金等、株主の権利・義務について
    貸借期間中、株券等は楽天証券名義又は第三者名義になっており、この期間中において、お客様は株主としての権利義務をすべて喪失します。そのため一定期間株式を所有することで得られる株主提案権等については貸出期間中はその株式を所有していないこととなりますので、ご注意ください。
    株式分割等コーポレートアクションが発生した場合、権利を獲得するため自動的にお客様の口座に対象銘柄を返却することで、株主の権利を獲得します。権利獲得後の貸出し設定は、お客様のお取引状況によってお手続きが異なりますのでご注意ください。
    貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金については、発行会社より配当の支払いがあった後所定の期日に、所得税相当額を差し引いた配当金相当額が楽天証券からお客様へ支払われます。
  • 株主優待情報について
    株主優待内容は東洋経済新報社から提供されるデータを原則として毎月更新いたします。更新日から次回更新日の内容変更、売買単位の変更、分割による株数の変動には対応しておりません。また、配当、優待は各企業の判断で廃止・変更になる場合がございます。お取引にあたりましては必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。
  • 税制について
    株券貸借取引で支払われる貸借料及び貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金相当額は、お客様が個人の場合、雑所得又は事業所得として、総合課税の対象となります。なお、配当金相当額は、配当所得そのものではないため、配当控除は受けられません。また、お客様が法人の場合、法人税に係る所得の計算上、益金の額に算入されます。
株式等のお取引にかかる費用
国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」「ワンショットコース」の3コースから選択することができます。
〔超割コース(貸株、投資信託の残高、信用取引の売買代金・建玉残高に応じて手数料が決定します。)(現物取引)〕
超割:1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで272円(税込293円)/1回、100万円まで487円(税込525円)/1回、150万円まで582円(税込628円)/1回、3,000万円まで921円(税込994円)/1回、3,000万円超973円(税込1,050円)/1回
超割(大口優遇):1回の約定代金が10万円まで90円(税込97円)/1回、20万円まで180円(税込194円)/1回、50万円まで238円(税込257円)/1回、100万円まで426円(税込460円)/1回、150万円まで509円(税込549円)/1回、3,000万円まで806円(税込870円)/1回、3,000万円超851円(税込919円)/1回
〔超割コース(信用取引)〕
超割:約定代金に関わらず360円(税込388円)/1回
超割(大口優遇):約定代金に関わらず0円(税込0円)/1回。
詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。
〔いちにち定額コース〕
1日の約定代金合計が50万円まで429円(税込463円)/1日、100万円まで858円(税込926円)/1日、200万円まで2,000円(税込2,160円)/1日です。以降、1日の約定代金合計が100万円増えるごとに1,000円(税込1,080円)追加されます。取引のない日は手数料がかかりません。1日の約定代金合計は現物取引と信用取引を合算して計算いたします。
〔ワンショットコース(現物取引)〕
1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで341円(税込368円)/1回、100万円まで609円(税込657円)/1回、150万円まで728円(税込786円)/1回、3,000万円まで1,152円(税込1,244円)/1回、3,000万円超は1,217円(税込1,314円)/1回。
〔ワンショットコース(信用取引)〕
1回の約定代金が30万円まで250円(税込270円)/1回、30万円超は450円(税込486円)/1回。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定するETFの手数料は0円です。いちにち定額コースの場合は、約定代金合計に含まれません。
  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、オペレーター取次ぎによるお取引の手数料体系が適用されます。
    〔オペレーター取次手数料(現物取引)〕
    1回の約定代金が50万円まで3,450円(税込3,726円)/1回、100万円まで3,800円(税込4,104円)/1回、150万円まで4,000円(税込4,320円)/1回、150万円超は4,500円(税込4,860円)/1回。
    〔オペレーター取次手数料(信用取引)〕
    1回の約定代金が30万円まで3,250円(税込3,510円)/1回、30万円超は3,450円(税込3,726円)/1回です。
  • PTS取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず1回の約定代金が50万円まで450円(税込486円)/1回、100万円まで800円(税込864円)/1回、150万円まで1,000円(税込1,080円)/1回、150万円超は1,500円(税込1,620円)/1回がかかります。
  • 国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会外分売)により取得する場合は、委託手数料はかかりません。
  • 信用取引による建玉を保有している期間は、買い建玉の場合は買方金利〔制度:通常 年2.85% 優遇 年2.28%、一般(無期限):通常 年3.09% 優遇 年2.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金300万円未満 年 1.90% 300万円以上 年0.0%〕、売り建玉の場合は貸株料〔制度:年1.10%、一般(無期限):年2.00%、一般(短期(14日)):年3.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金300万円未満 年 1.90% 300万円以上 年0.0%〕、品貸料(逆日歩)、特別空売りの場合は、特別空売り料等がかかります。
信用取引の委託保証金について
信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の維持率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただくか、建玉を決済していただく必要があります。