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足立武志「個人投資家なら誰もが知っておきたい「相続」の基礎知識」一覧へ

2016年12月2日

第21回 上場株式の相続・事前に注意しておきたい点とは

前回のコラムでは、上場株式を保有していた方に相続が起こったらどうなるのかをお話ししました。今回は、それを踏まえ、相続が起こる前にあらかじめ注意しておきたい点をお話ししたいと思います。

(注意点1)1つの銘柄に資金を集中させないようにする

前回のコラムでご説明しましたように、亡くなった方(以下「被相続人」)が保有していた上場株式は、相続手続きが完了するまでは財産を受け取る方(以下「相続人」)が自由に売却することができません。

最もリスクの高いパターンの1つは、被相続人の方がある特定の個別銘柄に多額の資金を集中させていた場合です。

例えば被相続人がA社株式を1万株保有していて、その相続税評価額が1株当たり1,000円、計1,000万円だったとしましょう。そして、相続財産全体に対して支払うべき相続税のトータルが900万円だったとします。

もし被相続人の方が亡くなった後に、その銘柄に大きな悪材料が生じて株価が急落、相続税を納付する時点では500円になってしまっていたらどうなるでしょうか?

A社株式を全て売却しても500万円にしかならず、他の相続財産からお金を工面、もしくは相続人自身が資金を負担して相続税を支払わなければならなくなってしまいます。

リーマン・ショックのような株式市場全体の下落は防ぎようがありませんが、個別銘柄の悪材料に起因する、個別銘柄レベルでの株価急落は、投資する銘柄数を増やすことでかなり小さくすることができます。最低でも10銘柄程度には分散させておくのがよいと思います。

(注意点2)年齢を重ねたら信用取引はできるだけ避けるようにする

(注意点1)のように、特定の銘柄に投資資金を集中させておくのはリスクが高い行為です。それに加え、信用取引を行っていたらどうでしょうか。

上記のA社株の例でいえば、信用取引で1万株の3倍の3万株を買い建てしていたら、株価が急落した際の損失も3倍になってしまいます。

さらには、信用取引の場合、マーケット全体が急落した際の影響も大きくなってしまいます。現物取引だけなら、リーマン・ショック級の急落により個別銘柄の株価が30%~40%程度下落するところ、信用取引で3倍のレバレッジをかけていたら、損失がその3倍に膨れ上がります。例え複数の銘柄に分散投資していたとしても、レバレッジがかかっている分、損失も大きくなってしまうのです。

信用取引によるレバレッジの分だけ、相続がおきてからの価格変動が大きくなってしまい、相続人にいらぬ迷惑をかけることにもなりかねません。ご高齢になったらできるだけ信用取引は避け、現物取引にとどめておくことが無難です。

(注意点3)どの証券会社に口座を持っているかをあらかじめ伝えておく

前回のコラムでお話ししましたように、上場株式等につき相続が発生した場合、相続人が証券会社にその旨を連絡したうえ、相続手続きを進めるという段取りになります。

しかし、被相続人が生前にどの証券会社と取引していたかを相続人が知らないというケースも少なくありません。

証券会社から取引報告書などが送られてきますから、被相続人宛ての郵便物をチェックすればある程度は把握可能です。しかし、最近はネット証券では取引報告書等を郵送ではなく電子交付するところも増えてきています。そうなると郵便物を見ても分かりませんし、口座は持っていて預けている株式もあるが、近年売買をしていないので郵便物がしばらく来ていない、ということだってあります。

そこで、ぜひ家族の間で、どの証券会社に口座を持っているかを確認しておいてください。できれば、証券会社の口座だけでなく、銀行の口座(預金はもちろんのこと投資信託を銀行から買っている可能性もあります)、加入している保険、ゴルフ会員権など、全ての財産についてそのありかの情報を家族間で共有していただきたいと思います。

(注意点4)できるだけ早く遺産分割協議ないし相続人全員の実印を集める

前回のコラムで触れましたが、上場株式等の相続手続きには1~2カ月程度かかります。その間、被相続人が保有していた上場株式の株価は日々刻々と変動していきます。

株価が上昇すれば問題ないですが、逆に下落を続けた場合、相続財産の時価が減ってしまうのにもかかわらず、相続発生時の時価で計算された相続税が課されてしまい、最悪の場合は納税資金が足りなくなってしまうという事態に陥ってしまいます。

このリスクは、時間が経てばたつほど高まっていきますので、できるだけ早く相続手続きを完了させることが必要です。そのためにはできるだけ早く遺産分割協議を行う、ないしは相続人全員の実印を集めて速やかに相続手続きを行うことが重要です。

(注意点5)遺産分割でもめそうなら遺言を書いておく

ご家族の環境によっては、ご自身に相続が起きた時、残された家族で遺産の取り合いになりそうだ、とお感じの方も少なくないと思います。

上場株式の場合、相続が発生した後も時価が日々変動します。相続人の間で遺産分割協議がまとまらず、相続手続きがいつまでたっても完了しない間に株価が大きく下落してしまい、納税資金の工面に非常に苦労するという事態は避けなければなりません。

そこで、ご家族間で遺産分割協議がまとまりそうもないとお感じの場合は、あらかじめ遺言書を残し、遺産分割協議を経ることなく上場株式の行き先を指定しておくことが1つのプランです。

なお、無用なトラブル(遺言書の有効性についての争いなど)を避けるために、自筆証書遺言ではなく公正証書遺言の形式とすることを、専門家の立場からはおすすめしておきます。

相続人にとって相続手続きというものは一生に何回もあるものではなく、全てが初めての経験だったりします。特に、相続人が株式投資・資産運用を全く行っていない方だと、何も分からず右往左往してしまうでしょう。

そんなことのないよう、ご自身が元気なうちにご家族に上場株式の相続手続きに必要なことをしっかりと伝えておいてください。また、親御様が熱心に株式投資をされている場合は、あらかじめ取引のある証券会社・銀行を聞きだしておくことを強くお勧めします。

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足立武志

個人投資家なら誰もが知っておきたい「相続」の基礎知識

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国内株式のリスクと費用について

株式等のお取引にかかるリスク
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
信用取引にかかるリスク
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
貸株サービスにかかるリスクおよび費用
  • リスクについて
    貸株サービスの利用に当社とお客様が締結する契約は「消費貸借契約」になります。株券等を貸し付けいただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。
  • 当社の信用リスク
    当社がお客様に引き渡すべき株券等の引渡しが、履行期日又は両者が合意した日に行われない場合があります。この場合、「株券等貸借取引に関する基本契約書」に基づき遅延損害金をお客様にお支払いすることになりますが、履行期日又は両者が合意した日に返還を受けていた場合に株主として得られる権利(株主優待、議決権等)は、お客様が取得できないことになります。
  • 投資者保護基金の対象とはなりません
    なお、貸し付けいただいた株券等は、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分別保管の対象とはならず、投資者保護基金による保護の対象とはなりません。
  • 手数料等諸費用について
    お客様は、株券等を貸し付けいただくにあたり、取引手数料等の費用をお支払いいただく必要はありません。
  • 配当金等、株主の権利・義務について
    貸借期間中、株券等は楽天証券名義又は第三者名義になっており、この期間中において、お客様は株主としての権利義務をすべて喪失します。そのため一定期間株式を所有することで得られる株主提案権等については貸出期間中はその株式を所有していないこととなりますので、ご注意ください。
    株式分割等コーポレートアクションが発生した場合、権利を獲得するため自動的にお客様の口座に対象銘柄を返却することで、株主の権利を獲得します。権利獲得後の貸出し設定は、お客様のお取引状況によってお手続きが異なりますのでご注意ください。
    貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金については、発行会社より配当の支払いがあった後所定の期日に、所得税相当額を差し引いた配当金相当額が楽天証券からお客様へ支払われます。
  • 株主優待情報について
    株主優待内容は東洋経済新報社から提供されるデータを原則として毎月更新いたします。更新日から次回更新日の内容変更、売買単位の変更、分割による株数の変動には対応しておりません。また、配当、優待は各企業の判断で廃止・変更になる場合がございます。お取引にあたりましては必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。
  • 税制について
    株券貸借取引で支払われる貸借料及び貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金相当額は、お客様が個人の場合、雑所得又は事業所得として、総合課税の対象となります。なお、配当金相当額は、配当所得そのものではないため、配当控除は受けられません。また、お客様が法人の場合、法人税に係る所得の計算上、益金の額に算入されます。
株式等のお取引にかかる費用
国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」「ワンショットコース」の3コースから選択することができます。
〔超割コース(貸株、投資信託の残高、信用取引の売買代金・建玉残高に応じて手数料が決定します。)(現物取引)〕
超割:1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで272円(税込293円)/1回、100万円まで487円(税込525円)/1回、150万円まで582円(税込628円)/1回、3,000万円まで921円(税込994円)/1回、3,000万円超973円(税込1,050円)/1回
超割(大口優遇):1回の約定代金が10万円まで90円(税込97円)/1回、20万円まで180円(税込194円)/1回、50万円まで238円(税込257円)/1回、100万円まで426円(税込460円)/1回、150万円まで509円(税込549円)/1回、3,000万円まで806円(税込870円)/1回、3,000万円超851円(税込919円)/1回
〔超割コース(信用取引)〕
超割:約定代金に関わらず360円(税込388円)/1回
超割(大口優遇):約定代金に関わらず0円(税込0円)/1回。
詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。
〔いちにち定額コース〕
1日の約定代金合計が50万円まで429円(税込463円)/1日、100万円まで858円(税込926円)/1日、200万円まで2,000円(税込2,160円)/1日です。以降、1日の約定代金合計が100万円増えるごとに1,000円(税込1,080円)追加されます。取引のない日は手数料がかかりません。1日の約定代金合計は現物取引と信用取引を合算して計算いたします。
〔ワンショットコース(現物取引)〕
1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで341円(税込368円)/1回、100万円まで609円(税込657円)/1回、150万円まで728円(税込786円)/1回、3,000万円まで1,152円(税込1,244円)/1回、3,000万円超は1,217円(税込1,314円)/1回。
〔ワンショットコース(信用取引)〕
1回の約定代金が30万円まで250円(税込270円)/1回、30万円超は450円(税込486円)/1回。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定するETFの手数料は0円です。いちにち定額コースの場合は、約定代金合計に含まれません。
  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、オペレーター取次ぎによるお取引の手数料体系が適用されます。
    〔オペレーター取次手数料(現物取引)〕
    1回の約定代金が50万円まで3,450円(税込3,726円)/1回、100万円まで3,800円(税込4,104円)/1回、150万円まで4,000円(税込4,320円)/1回、150万円超は4,500円(税込4,860円)/1回。
    〔オペレーター取次手数料(信用取引)〕
    1回の約定代金が30万円まで3,250円(税込3,510円)/1回、30万円超は3,450円(税込3,726円)/1回です。
  • PTS取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず1回の約定代金が50万円まで450円(税込486円)/1回、100万円まで800円(税込864円)/1回、150万円まで1,000円(税込1,080円)/1回、150万円超は1,500円(税込1,620円)/1回がかかります。
  • 国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会外分売)により取得する場合は、委託手数料はかかりません。
  • 信用取引による建玉を保有している期間は、買い建玉の場合は買方金利〔制度:通常 年2.85% 優遇 年2.28%、一般(無期限):通常 年3.09% 優遇 年2.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金300万円未満 年 1.90% 300万円以上 年0.0%〕、売り建玉の場合は貸株料〔制度:年1.10%、一般(無期限):年2.00%、一般(短期(14日)):年3.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金300万円未満 年 1.90% 300万円以上 年0.0%〕、品貸料(逆日歩)、特別空売りの場合は、特別空売り料等がかかります。
信用取引の委託保証金について
信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の維持率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただくか、建玉を決済していただく必要があります。