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足立武志「個人投資家なら誰もが知っておきたい「相続」の基礎知識」一覧へ

2016年10月21日

第18回 相続対策の万能薬・生命保険の活用法とは?(その2)

「遺産分割対策」・「納税資金対策」・「相続税対策」全てにメリットがある生命保険。今回は遺産分割と納税資金準備の対策としてどのように活用していくのか、簡単な実例とともにご説明していきます。

財産は簡単に分割できるものばかりではない

相続が発生した場合、被相続人の財産を相続人で分けることになります。このとき、現金や預金、上場株式など分けやすいものであればそれほど問題にはなりませんが、不動産が相続財産に含まれていると問題が生じる可能性が高くなります。

特に、自宅不動産とわずかなキャッシュ、という場合は要注意です。例えば相続人が長男と次男の2人、8,000万円の自宅不動産と2,000万円のキャッシュが相続財産の全て、というケースを想定します。このとき単純にそれぞれを2分の1ずつ相続するとなると、キャッシュを1,000万円ずつと、自宅不動産を2分の1ずつという形になります。

このとき、キャッシュは2,000万円を2分の1ずつ分けることができますから問題ありません。しかし、自宅不動産を半分に割って4,000万円ずつ相続する、ということは現実問題として不可能です。

かといって不動産の「共有」は絶対に避けるべき

被相続人の生前、長男は親と一緒に暮らして色々と面倒をみていた、となれば、長男としては「キャッシュは全部次男が持っていってよいから自宅不動産は長男の俺がもらう」という気持ちになるでしょう。しかし次男の側からすれば、「2分の1ずつ相続できるはずだから、僕は(8,000万円+2,000万円)÷2=5,000万円もらえるはずだ。兄ちゃんが自宅不動産を全部相続するなら、差額の3,000万円を僕にくれなければ納得いかない」と思うのではないでしょうか。

こうした状況でよくやってしまいがちなのが、不動産の「共有」です。共有とは1つの不動産を複数の人たちで共同で所有することです。あまりに次男が「半分よこせ」とうるさいので、自宅不動産を「2分の1ずつの共有」としてしまうのです。キャッシュも2分の1ずつ、自宅不動産も2分の1ずつとなり、これで問題解決、と思ってしまいがちですが、不動産の共有は絶対に避けるべきことの1つです(共有の問題については非常に重要なので、別の回に改めてご説明します)。

ここで役に立つのが生命保険を使った遺産分割対策

次男は半分よこせという、かといって共有も避けるべき・・・こんなときに効果を発揮するのが生命保険なのです。契約者(保険を契約する人)・保険料負担者(保険料を実際に払う人)・被保険者(保険をかける対象となる人)を被相続人、受取人(保険金を受け取る人)を相続人たる長男とする生命保険に被相続人の生前に加入しておくのです。

そして、遺産分割協議では、自宅不動産の全てを長男が取得、キャッシュ2,000万円を次男が取得、そして代償財産として長男が受け取った保険金を使って次男に3,000万円支払う、という形にします。こうすれば、次男も納得して遺産分割協議に応じてくれるはずです。

遺留分対策にも生命保険が有効

また、こんな使い方もできます。父親は長男と次男のうち、長男に全ての財産をあげたいと思っています。そこで父親は、「私の有する全ての財産を長男に相続させる」という遺言書を遺すことにしました。

しかし民法では、最低これだけはもらえる権利がありますよという「遺留分」の規定があります。次男が遺留分減殺請求(自分にあるはずの遺留分の額だけ財産を渡せという請求)をした場合、法定相続分の2分の1(今回のケースでは1/2×1/2=4分の1)を長男は次男に渡さなければなりません。

このとき、遺留分に相当する金額の保険金が長男におりるように、被保険者父親、受取人長男とする生命保険に加入しておくのです。父親の死後、次男が遺留分減殺請求をしてきても、長男は受け取った保険金を使って次男に必要な額を支払うことができます。

相続税の納税は10カ月以内・だけど払えるだけのお金が手元にない!

相続税の申告および納付は、相続が発生してから10カ月以内に行うことになっています。そして相続税の納付は「金銭一括納付」が原則です。

しかし、財産はたくさん相続したが、その多くが不動産のため納税に必要な資金が足りない、というケースは多々あります。10カ月以内に不動産を売却して換金化することは、思った以上に大変なことです。

また、誰がどの財産を相続するか相続人の間でもめているような場合、遺産分割協議がまとまらないまま納付期限の10カ月が経過してしまうこともあります。遺産分割協議がまとまらないと、いくら相続財産に多額の預金があっても、銀行は引き出しに応じてくれません。また、遺産分割協議がまとまらなければ物納や延納もできません。

したがって、10カ月たっても遺産分割協議がまとまらない場合は、相続人自身の財産から、相続税を納付しなければならなくなります。

でも、相続税を納付するだけの財産など持ち合わせていない、という相続人の方も多いはずです。

納税資金対策にも生命保険は効果を発揮する

そこで、被相続人の生前に、各相続人を受取人とした生命保険に加入しておくのです。生命保険の保険金は民法上相続財産にならず、受け取った相続人固有の財産ですから、自由に使うことができます。また相続発生後大して時間がかからず保険金が支払われるため、相続税の納付期限である10カ月以内に納付を済ませることができます。

このとき、事前に相続税のシミュレーションをして、どのくらいの納税資金が必要かを計算しておき、その結果に基づき生命保険に加入することをお勧めします。せっかく保険金を受け取っても、相続税の納税に全然足りない、というのでは意味がないからです。

さまざまな場面で活躍する生命保険、しかしこれを生かすも殺すも自分次第です。また、よく考えて対策を実行しないと、贈与税が課税されるなど思わぬ落とし穴もあります。公認会計士や税理士などの専門家とよく相談の上、効果的に活用するようにしてください。

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足立武志

個人投資家なら誰もが知っておきたい「相続」の基礎知識

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国内株式のリスクと費用について

株式等のお取引にかかるリスク
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
信用取引にかかるリスク
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
貸株サービスにかかるリスクおよび費用
  • リスクについて
    貸株サービスの利用に当社とお客様が締結する契約は「消費貸借契約」になります。株券等を貸し付けいただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。
  • 当社の信用リスク
    当社がお客様に引き渡すべき株券等の引渡しが、履行期日又は両者が合意した日に行われない場合があります。この場合、「株券等貸借取引に関する基本契約書」に基づき遅延損害金をお客様にお支払いすることになりますが、履行期日又は両者が合意した日に返還を受けていた場合に株主として得られる権利(株主優待、議決権等)は、お客様が取得できないことになります。
  • 投資者保護基金の対象とはなりません
    なお、貸し付けいただいた株券等は、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分別保管の対象とはならず、投資者保護基金による保護の対象とはなりません。
  • 手数料等諸費用について
    お客様は、株券等を貸し付けいただくにあたり、取引手数料等の費用をお支払いいただく必要はありません。
  • 配当金等、株主の権利・義務について
    貸借期間中、株券等は楽天証券名義又は第三者名義になっており、この期間中において、お客様は株主としての権利義務をすべて喪失します。そのため一定期間株式を所有することで得られる株主提案権等については貸出期間中はその株式を所有していないこととなりますので、ご注意ください。
    株式分割等コーポレートアクションが発生した場合、権利を獲得するため自動的にお客様の口座に対象銘柄を返却することで、株主の権利を獲得します。権利獲得後の貸出し設定は、お客様のお取引状況によってお手続きが異なりますのでご注意ください。
    貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金については、発行会社より配当の支払いがあった後所定の期日に、所得税相当額を差し引いた配当金相当額が楽天証券からお客様へ支払われます。
  • 株主優待情報について
    株主優待内容は東洋経済新報社から提供されるデータを原則として毎月更新いたします。更新日から次回更新日の内容変更、売買単位の変更、分割による株数の変動には対応しておりません。また、配当、優待は各企業の判断で廃止・変更になる場合がございます。お取引にあたりましては必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。
  • 税制について
    株券貸借取引で支払われる貸借料及び貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金相当額は、お客様が個人の場合、雑所得又は事業所得として、総合課税の対象となります。なお、配当金相当額は、配当所得そのものではないため、配当控除は受けられません。また、お客様が法人の場合、法人税に係る所得の計算上、益金の額に算入されます。
株式等のお取引にかかる費用
国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」「ワンショットコース」の3コースから選択することができます。
〔超割コース(貸株、投資信託の残高、信用取引の売買代金・建玉残高に応じて手数料が決定します。)(現物取引)〕
超割:1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで272円(税込293円)/1回、100万円まで487円(税込525円)/1回、150万円まで582円(税込628円)/1回、3,000万円まで921円(税込994円)/1回、3,000万円超973円(税込1,050円)/1回
超割(大口優遇):1回の約定代金が10万円まで90円(税込97円)/1回、20万円まで180円(税込194円)/1回、50万円まで238円(税込257円)/1回、100万円まで426円(税込460円)/1回、150万円まで509円(税込549円)/1回、3,000万円まで806円(税込870円)/1回、3,000万円超851円(税込919円)/1回
〔超割コース(信用取引)〕
超割:約定代金に関わらず360円(税込388円)/1回
超割(大口優遇):約定代金に関わらず0円(税込0円)/1回。
詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。
〔いちにち定額コース〕
1日の約定代金合計が50万円まで429円(税込463円)/1日、100万円まで858円(税込926円)/1日、200万円まで2,000円(税込2,160円)/1日です。以降、1日の約定代金合計が100万円増えるごとに1,000円(税込1,080円)追加されます。取引のない日は手数料がかかりません。1日の約定代金合計は現物取引と信用取引を合算して計算いたします。
〔ワンショットコース(現物取引)〕
1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで341円(税込368円)/1回、100万円まで609円(税込657円)/1回、150万円まで728円(税込786円)/1回、3,000万円まで1,152円(税込1,244円)/1回、3,000万円超は1,217円(税込1,314円)/1回。
〔ワンショットコース(信用取引)〕
1回の約定代金が30万円まで250円(税込270円)/1回、30万円超は450円(税込486円)/1回。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定するETFの手数料は0円です。いちにち定額コースの場合は、約定代金合計に含まれません。
  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、オペレーター取次ぎによるお取引の手数料体系が適用されます。
    〔オペレーター取次手数料(現物取引)〕
    1回の約定代金が50万円まで3,450円(税込3,726円)/1回、100万円まで3,800円(税込4,104円)/1回、150万円まで4,000円(税込4,320円)/1回、150万円超は4,500円(税込4,860円)/1回。
    〔オペレーター取次手数料(信用取引)〕
    1回の約定代金が30万円まで3,250円(税込3,510円)/1回、30万円超は3,450円(税込3,726円)/1回です。
  • PTS取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず1回の約定代金が50万円まで450円(税込486円)/1回、100万円まで800円(税込864円)/1回、150万円まで1,000円(税込1,080円)/1回、150万円超は1,500円(税込1,620円)/1回がかかります。
  • 国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会外分売)により取得する場合は、委託手数料はかかりません。
  • 信用取引による建玉を保有している期間は、買い建玉の場合は買方金利〔制度:通常 年2.85% 優遇 年2.28%、一般(無期限):通常 年3.09% 優遇 年2.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金100万円未満 年 1.90% 100万円以上 年0.0%〕、売り建玉の場合は貸株料〔制度:年1.10%、一般(無期限):年2.00%、一般(短期(14日)):年3.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金100万円未満 年 1.90% 100万円以上 年0.0%〕、品貸料(逆日歩)、特別空売りの場合は、特別空売り料等がかかります。
信用取引の委託保証金について
信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の維持率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただくか、建玉を決済していただく必要があります。