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第25回 ゴールド大暴落、何が起こったのか?

2013年4月18日

ゴールド相場は先週金曜日と今週月曜日の2日間で13%も下落した。ゴールドの最大仕手筋と呼ばれるジョンポールソン氏はこの2日間で9.73億米ドル(約950億円)の個人資産を失ったと報道されている。

ゴールド相場に何が起こったのか?

米金融界では3月あたりから「ゴールド売り・ドル買い」のポジションを推奨する顧客宛のレポートが出ていたが、「ゴールドマン、金価格見通しを引き下げ-サイクルの転換加速」(4月10日ブルームバーグ)という報道で市場に弱気見通しが広まった。

ゴールドマンサックスは「米景気回復の勢いが増し、金相場サイクルの転換が加速している」として、ゴールド相場の3カ月見通しを1,615ドルから1,530ドルに、6カ月見通しを1,600ドルから1,490ドルに、1年見通しを1,550ドルから1,390ドルにそれぞれ引き下げた。それでも「ゴールド相場が大暴落する」などと思った運用者は少ない。せいぜい、「ジリ貧相場か…」程度の感触であろう。

また、危機に見舞われたキプロスがゴールドを売却するという報道から、ゴールドは4月10日に1%下落したが、キプロスのゴールド売却量は約10トンである。市場を大暴落させる威力のあるものではない。

ゴールド先物(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:移動平均リボン(赤)1~3カ月の市場参加者のコスト


(出所:石原順)

ゴールド相場の暴落の引き金を引いたのはメリルリンチであると報道されている。4月12日にバンカメメリルリンチがゴールド先物市場で60億ドルのゴールド売り注文を出した。これは顧客注文と言われているが、先物市場で売りが出たことから「仕掛け的な商い」だという指摘が多い。4月12日の数時間の間にゴールド先物市場で400トン分のゴールドが売られるというのは、想定の範囲外である。

これでびっくりしたのが、ヘッジファンドやCTA(商品投資顧問業者)である。その後は売りが売りを呼び、ゴールド先物相場は4月12日高値から4月16日までの3営業日で242ドル下げるという大暴落を演じた。パニック相場だ。ドル/円もゴールド暴落騒動に巻き込まれ、4月15日には95円79銭まで下落した。円売りポジションをもっていたCTAがゴールドの損を埋めるため、ドル/円やクロス円の手仕舞いに動いたからである。

この負の連鎖はいまのところ過剰流動性相場がくい止めているが、コモディティを組み入れているファンドは20%~50%程度の損失を負ったこころも多いと噂されている。日本のゴールド先物市場も、円高とのダブルパンチにより大荒れとなった。

長期的な相場については、「わからない」という声が大勢だ。ある商品ファンドの幹部は、「250ドルから1,900まで上げた相場だけに、正直言って下値メドがわからない」と述べている。まだ、パニックの最中ということだろう。

ゴールドマンは先のレポートで、「ユーロ圏に関連するリスク回避の動きが再開し米経済指標が低調でも、ゴールド相場の動向は過去1カ月間変化しなかった。それは、ゴールド保有への確信がいかに急速に低下しているかを示している」と述べている。「ゴールドは危機のヘッジにならない」ことから、ゴールドの魅力が失せたというのである。

ゴールドが上がるには「インフレ見通し」か「ドル安見通し」が欠かせないが、ゴールドマンサックスは「インフレ率上昇が次のゴールド場上昇サイクルのきっかけとなる可能性があるが、数年先だろう」という見方をとっている。

ゴールドが暴落したことで、ファンド勢はゴールドから株式、ドル、債券へと資金を移している。仮にゴールドマンサックスのゴールド弱気予測が当たり、ゴールドの上昇サイクルが数年先になるのであれば、それまでは「株・債券・ドルのバブルが続く」と言うことだ。

次にゴールドが輝きを取り戻す時は、株のバブルが崩壊し始めた時だろう。しかし、日銀の異次元緩和で世界的な株バブルは2年くらい続いてもなんらおかしくはない。そう考えると、ゴールド相場暴落の遠因はアベノミクスにあるのかもしれない。

ゴールドの支持・抵抗ポイントを見ておこう。

ゴールドは今後「レンジの倍返し」レベルである1240ドルまでの下げも危惧されるが、4月16日安値1,322ドルは150日エンベロープ(移動平均乖離)-20%の水準であり、とりあえず反発レベルまで下がったと見てよいだろう。

ただし、顧客の解約で売らなければならない事情のあるファンドもあり、ファンドの5月決算前の動きには今後も注意が必要である。また、ゴールドETFを保有しているファンドの「投げ遅れ」も指摘されており、依然、状況は混沌としている。いずれにせよ、ここは相場の落ち着くのを待ちたい。

ゴールド先物(日足) 2008年~2011年の上げ幅に対するフィボナッチのリトレースメント


(出所:石原順)

ゴールド先物(日足) 黄色のレンジの倍返し下げは1,240ドル

150日移動平均線(青)・150日エンベロープ20%(赤)


(出所:石原順)


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