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第12回 過剰流動性 VS 中東情勢

2011年2月23日

今週はリビアの情勢不安が悪化し、NY原油相場は2年半ぶりの高値に上昇している。中東情勢については非常に不透明感が強く、マーケットはこの材料を消化できていないのではないかと思われる。いろいろな運用者に話を聞いてみても、結局「どうなるかわからない」という声が多いからだ。

NY原油先物(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ


(出所:石原順)

今回の中東・北アフリカの民主化運動は、過去の東欧民主化のような単純な図式ではない。独裁国家と呼ばれる国の指導者が軍を掌握できているのかどうかもわかりにくい(その意味で、軍を掌握している北朝鮮や中国の体制は強い)。注意すべきは、エジプトやチュニジアと違って、カダフィーが失脚すると、リビアは内戦になる可能性がある事である。

市場関係者の間では「中東問題の波及や混乱の影響を懸念して、QE2バブルムードが変調 するのではないか」との声が上がっている。昨日のマーケットは米国株が大幅安となり、投資家の不安心理の度合いを表すと言われるVIX指数(俗名:恐怖指数)が急騰した。

VIX恐怖指数(日足)


(出所:石原順)

中東情勢がマーケット・テーマに浮上したことによって不安心理が出てきて、今年の国際商品相場の中では軟調な展開を続けていた原油先物やゴールド先物が買われている。一方、堅調な推移を続けていたコーン・大豆・小麦の先物が、昨日はストップ安で引けている。投機マネーもやや慎重になってきたようだ。

ゴールド先物(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ


(出所:石原順)

シルバー先物(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ


(出所:石原順)

コーン先物(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ


(出所:石原順)

大豆先物(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ


(出所:石原順)

小麦先物(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ


(出所:石原順)

中東・北アフリカの混乱は、サウジアラビア・ドバイ・アブダビなどに波及しなければ大丈夫だという意見もあるが、マーケットは「あり得ない」ことが起こるので、予断を許さず損失管理をしっかりとやるべきである。ただ、為替市場の動きをみていてもわかるように、市場はパニック的な心理で動いているわけではない。株式市場も下落しているが、多くのファンドは「押し目買い」方針を維持している。

NYダウ先物

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ


(出所:石原順)

国際商品市場をやや長期に観察すると、ゴールドは長期上昇傾向にある。ただ、ゴールドは最近緩慢な動きとなっており、ファンド勢が昨年から注力しているのは穀物相場だ。商品ファンドの間では、コーン・大豆・小麦の三大穀物商品はリーマン危機前の高値を今年は上抜くのではないかと言われている。そのロジックは、『第10回 コモディティ投資入門(6)コモディティ投資の方法』を参照されたい。

ゴールド先物(日足) 2008~2011年


(出所:石原順)

コーン先物(日足) 2008~2011年


(出所:石原順)

原油先物(日足) 2008~2011年


(出所:石原順)

デフレ社会が長期に続いている日本人にはわかりにくいが、世界的に見て現在がインフレかデフレかと聞かれれば、インフレに向かっていると言えるだろう。現在、デフレ懸念の消えない先進国にあっても、コストプッシュ・インフレが想定される。

米10年国債金利(日足) 2008年12月2.04%で当面の金利の底が入った?


(出所:石原順)

著名投資家ジム・ロジャース氏の研究では、20世紀は商品と株式が平均18年の周期で上昇相場が入れ替わるという結果が出ている。商品と株式が全くの逆相関であるわけではないが、20世紀の下記の期間は株式相場が低迷していたのに対して商品相場が顕著に上昇している。

1907年から1920年までの13年間
1929年から1945年までの16年間
1968年から1982年までの14年間

今回の商品の上昇相場の始まりは諸説あるが、2000年頃をスタートとして始まっている、という説が有力である。この見方が正しければ、現在の商品の上昇は2015年頃まで続く可能性がある。

日本国債の格下げや財政破綻リスクが近年叫ばれているが、筆者は米・英の財政再建は可能だが、日本やギリシャのような体力の低下した国の財政再建は容易でないと考えている。結局、日本の財政再建はインフレによってガラガラポンするしかないのではないだろうか? いずれにせよ、今後の資産運用では商品も重要な投資対象になるだろう。

最後に商品ファンドの運用手法について触れておこう。投資スタイルは十人十色であるが、商品投資で大きな利益を上げているファンドは圧倒的に順張りが多く、その投資手法はブレイクアウト(レンジ抜け)を順張りで買うというスタイルである。「プライス・チャネル」と呼ばれる、過去x日間の高値・安値のブレイクでエントリーする手法や、日本古来のボラティリティ・ブレイク・アウト手法である「カギ足」を使っているファンドも多い。

コーン先物(カギ足)2%ブレイク 相場の変動がわかりやすい


(出所:石原順)

コーン先物(日足)チャネル・ブレイクアウト


(出所:石原順)

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