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第10回 コモディティ投資入門(6)コモディティ投資の方法

2010年12月29日

コモディティ投資の方法

世界の商品先物取引所に上場されているコモディティは数多くありますが、平均的な日本人投資家が資産運用の一環(分散)でコモディティ投資を行う場合、コモディティ全体への投資であるコモディティ・インデックス(商品指数)投資以外の個別品目のコモディティ投資は、原油と金、そして穀物程度で十分だと思います。

さて、それでは現実的なコモディティ投資にはどういったものがあるのでしょうか。

第一は、株式投資などと同じくインデックス投資でしょう。以前に主要なコモディティ・インデックスを紹介しましたが、これらのコモディティ・インデックスに連動するような投資は日本でもかなり普及してきており、種類も増えてきています。

ただし、これも株式と同じなのですが、証券会社のコモディティ投資信託や商品会社の商品ファンドよりはコモディティ・インデックス型のETFの方が断然有利です。インデックスに勝とうとするのではなくインデックス通りの運用を行うのがインデックス投資ですから、インデックスとの連動性に差がないのなら違いはコスト面ということになります。

例えば、商品ファンドでは購入時の手数料は3%前後ですし、年間の信託報酬も3%程度のものが主流です。また、コモディティ投信も、概ね購入時の手数料が2.%程度、年間の信託報酬が1.3%程度となっています。

これに対しコモディティETFは、購入時の手数料は株式の購入と同じ手数料率ですから断然安く、年間の信託報酬も0.4%程度とコモディティ投信の3分の1です。従って、コモディティ・インデックス型の投資を行うのであれば、ETFに限るということになります。

問題は、どのコモディティ・インデックスがベースになっているか、ということです。国内で上場されている唯一のコモディティ・インデックス型のETFである東証のイージーETF S&P-GSCI(1327)は、名前の通りS&P-GSCIに連動しています。これは、エネルギー部門のウェイトが高く、全体の7割を超えています。貴金属の割合は金と銀を合わせても僅か3.3%しかありません。従って、昨今の商品相場のように、金だけが強い相場の時にはこのS&P-GSCIはほとんど上昇しないということになります。

これに対し野村コモディティ投信はDJ-UBS商品指数に連動しており、こちらの方はエネルギーが約36%、貴金属が9%のウェイトですから、S&P-GSCIよりはバランスがとれています。

コモディティ・インデックス型の投資を行いたい人は海外上場のETFを検討されることをお薦めします。株式と同じく、商品でも海外上場のETFを取り扱う証券会社は増えており、また、手数料などのコストも国内ETFとそれほど変わりませんので、是非検討してみて下さい。

コモディティ投資―個別商品への投資

コモディティ投資はインフレや通貨の信認が下落するような場合は、商品の種類に関係なく大抵の商品が同時に上昇します。また、過剰流動性やハイリスク・ハイリターンを選好する投機マネー(リスクマネー)が市場を席巻しているような時も、大体の商品が同方向に動きます。

しかし、商品は個別性が強く、中長期的には個々の商品の需給が相場のトレンドを決定します。そこで、個別商品の需給逼迫などを契機に、ある一定の短期間でその個別商品の価格水準が大きく変わる(何倍にもなる)のも商品の特長です。

従って、昨今のように既存の金融商品には投資魅力を感じない場合などにはコモディティ・インデックスに投資するのも一つの方法ですが、長期的にコモディティ投資を行おうとする場合には個別の商品の需給や特性、特に長期的な需給をしっかりと把握して個別の商品に投資するということが検討されてもよいと思います。また、短期的な商品投資でも、相場の上昇・下落、或いは値幅には個々の商品間でかなりのズレがありますので、個別商品の特性などを的確に把握しておく必要があると思います。

コモディティ投資―ファンドの着眼点

最後にコモディティ・ファンドから頂いたレポートにあった興味深い事実をお知らせしておきます。

それは、金・ドル本位制のもと世界の為替が固定相場であった今から40年前の1970年当時と現在を比較していて気が付いたのです。1970年当時は為替相場が実質固定されていたわけですから、金融市場、特に金利なんかは当然のことながら金融当局によってコントロールされていました。すなわち、アメリカでも金融自由化の前だったわけです。

そこで、1970年当時の商品価格を調べていると、1970年から現在までの40年間に原油と金の価格が約32~34倍になっていることが分かりました。そして、偶然の一致かどうか分からないのですが、下記のように世界のGDPの規模もこの40年間で約31倍になっているのです。

過去40年間の価格変化

  原油 世界のGDP
1970年 2.5ドル/バレル 35ドル/オンス 1.9兆ドル
現在 約80ドル/バレル 約1,200ドル/オンス 約59兆ドル
倍率 32倍 34倍 31倍

更に興味深いのは、生産量の変化(倍率)が世界の人口の変化とほぼ同じなのです。

過去40年間の生産量変化

  原油 世界の人口
1970年 48百万バレル/日 1,480トン/年 37億人
現在 85百万バレル/日 2,420トン/年 69億人
倍率 1.8倍 1.6倍 1.9倍

商品の生産量が人口に比例するのは何となく分かります。しかし、原油などは自動車や電気などエネルギー消費が急増しているイメージがありましたので、人口の増加よりも多いのではないかと思っていました。また、逆に金は消費されてなくなる物ではありませんから人口増加とはあまり関係ないのかなと思っていました。しかし……?

ここでちょっと注意しなければならないのは、原油と金の価格および生産量が世界のGDPと人口に比例しているとすると、世界のGDPに占める原油と金の年間生産量の総金額は原油と金の生産量が増えた分だけ増えている、すなわち約2倍になっている、ということです。

そこで、穀物の方はどうなっているのかをみますと、

過去40年間の穀物価格の変化

  トウモロコシ 大豆 小麦
1970年 225セント/ブッシェル 300セント/ブッシェル 133セント/ブッシェル
現在 372セント/ブッシェル 960セント/ブッシェル 510セント/ブッシェル
倍率 1.7倍 3.2倍 3.8倍

ですので、原油、金および世界のGDPの変化倍率(30倍以上)と比べると、穀物価格の倍率はそれらの約10分の1なのです。

それでは、生産量の方はどうなっているのかと調べてみますと、

過去40年間の穀物生産量の変化

  トウモロコシ 大豆 小麦
1970年 309百万トン 42百万トン 307百万トン
現在 782百万トン 242百万トン 656百万トン
倍率 2.5倍 5.8倍 2.1倍

となっていますから、食用油や家畜向けの配合飼料として需要が急増している大豆を除いて、トウモロコシと小麦は人口の増加割合と同程度なのです。

従って、世界のGDPに占める穀物の割合は、3大穀物を平均しますと約5分の1に低下していることが分かりました。経済が成長するとエンゲル係数が下がりますから、ある程度の低下は理解できるのですが、原油や金と比較してこれほどまでに差がつくものでしょうか。

ここからは皆様で判断して頂きたいと思いますが、一つだけご参考までにお伝えしておきます。それは、原油価格は2003年頃までは1バレル20ドル~30ドル前後、金価格も2005年半ば頃までは1オンス300ドル~400ドル程度と長期間低迷していたことです。そして、その後の4~5年の間に急騰したのです。

商品はごく短期間に大きく価格水準を変えることがありますが、穀物も何時かそうなるのでしょうか?

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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