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2012年の振り返りと2013年相場を迎えるにあたって

2013年1月4日

新年明けましておめでとうございます。

昨年11月半ばの衆院解散以降、年末にかけて大幅な「円安と株高」が演出されましたが、その賑わいの余韻が冷めやらぬまま、新しい年を迎えました。

年の瀬に相場が盛り上がったせいか、あれだけ世間を騒がせたAIJ投資顧問の事件が実は2012年の出来事だったことを危うく忘れそうになってしまいます。その他にも、東京スカイツリー開業や米フェイスブック上場、ロンドン五輪、領土をめぐる日韓・日中の関係悪化、米大統領議会選挙、中国共産党大会、山中教授のノーベル賞受賞、米ハリケーン「サンディ」等々、思いつくままに列挙しただけでも2012年はイベントや出来事が数多くありました。

さて、そんな2012年の株式市場を振り返ると、かなりざっくりではありますが、日経平均の動きは三つの局面に分解できます。まずは「初夏にかけての大きな往って来い相場」があり、その後は「晩秋にかけてのレンジ相場」が続き、そして、「年末にかけての再浮上相場」です。

それぞれの局面で値動きの違いはあったものの、株式市場は年間を通じて、基本的に「(1)欧州の財政債務問題」、「(2)世界景気」、「(3)(金融緩和などの)政策・政治」のそれぞれの状況と組み合わせによって、リスクのONとOFFを繰り返すという構図だったと言えます。

例えば、2月から3月かけての大幅上昇は、(1)ギリシャへの2次支援に目処がついたこと、(2)米国で堅調な経済指標が相次いだこと、(3)日銀の金融緩和がサプライズだったこと(実際に評価されたのは、物価上昇率1%をメドに金融緩和を継続するという姿勢)など、好条件が揃ったことでリスクONとなり、円安と株高が進行しました。逆に、4月から6月にかけての大幅下落は、(1)ギリシャやスペインに対する不安が再燃したこと、(2)米中の経済指標悪化が強く意識されたことでリスクOFFが本格化し、(3)の金融緩和効果を打ち消した格好です。

晩秋にかけてのレンジ相場では、(1)ギリシャ支援再開やスペイン財政支援への懸念が燻る一方、OTMなど安全網(セーフティネット)の整備が進んだこと、(2)経済指標については、米国がまちまちの一方、中国や国内の悪化傾向が続いたことや、IMFも総会前に世界景気の見通しを下方修正したこと、(3)米国で「財政の崖」への懸念が台頭する一方、FRBがQE3を実施、日銀も追加緩和を決定したことなど、強弱の材料が入り混じり、リスクのONとOFFが慌しく入れ替わったほか、米大統領選挙や中国共産党大会など政治イベントが控えていたことで値動きの幅が限定的になりました。この時期は薄商いが続きましたが、相場の手掛けづらさの表れと言えます。

年末にかけての再浮上相場では、(1)ギリシャの支援再開が合意されたことや欧州債券市場が安定していること、(2)経済指標も、米国が消費、住宅、雇用を中心に堅調だったことや、中国も景気底打ちが感じられるようになったこと、(3)年末でツイストオペが終了する米FOMCで追加緩和(毎月450億ドル規模の長期国債購入と数値目標の導入)が決定されたことなどの外部要因に加え、衆院選をにらんだ新政権への期待感という国内要因が本格上昇のきっかけとなりました。

衆院選後も株価の上昇が続きましたが、自民党を中心とする新政権が衆院において磐石な基盤を得たことで、政策運営が行いやすくなったほか、日銀に対しても金融緩和や物価目標を要請する圧力が強まることが見込まれ、こうした日本の構造変化の息吹を感じ取った投資家が新たな買いを入れたことが背景にあります。

特に、政治による金融緩和を活かす環境整備が意識されていることが大きく、政府と日銀の取り組みがそれぞれ「車の両輪」として機能し、デフレ脱却や景気回復への期待を高め、相場の先高感や底上げにつながったと言えます。

結局、年末の日経平均終値は1万395円18銭で、年初来高値も更新し、前年末比で約23.5%の上昇となりましたが、辰年の2012年は「辰巳天井」という言葉の通り、好パフォーマンスでした。戦後の日経平均の騰落状況を干支別で比較すると、辰年が最も上昇する傾向があり(平均上昇率29.1%)、ジンクス通りの結果となりました。

となると、気になるのは2013年の巳年ですが、過去の平均上昇率は4.7%とあまり高くはありません。ニョロニョロとした蛇の動きのように、穏やかな上げ下げを繰り返すイメージを描きがちですが、実際はそんなことはなく、バブル期の日経平均最高値(38,915円)をつけた1989年をはじめ、NY大恐慌(1929年)やスターリン暴落(1953年)などは巳年の出来事で、相場の天底となる重要な転換点を示すことが多かったりします。

いずれにしても、間もなく召集される通常国会を控え、いよいよ安倍新政権が本格的に始動します。株式市場の相場地合いも、これまでの「期待の先取り」から「政策のスケジュール感と実現度」を見極める段階に移行していくと思われます。成長戦略や規制緩和などを中心に、国内の経済成長に現実味が増せば、日経平均は年度末にも1万1,000円台までの上昇も有り得ると見ています。

とはいえ、期待先行の相場は「いいとこ取り」で上昇していきますが、現実を見極めていく相場では、マイナスの材料にも視点が向かいます。現在のところ、新政権は10兆円規模の補正予算や、200兆円規模とされる国土強靭化計画などを進めようとしていますが、その一方で、2020年度までにプライマリーバランスを黒字化するという財政再建目標の足枷があります。

つまり、政策実施の財源確保の動向次第では、財政悪化による長期金利の上昇や格下げ懸念などの課題も抱えているわけです。そのため、新政権は経済成長によるデフレ脱却とともに財政再建の道筋も同時に示して行く必要があるほか、2014年の消費税引き上げも迫っているため、時間的猶予も限られ、政策推進のスピード感も求められます。

安倍首相は日銀に対して2%のインフレターゲットと政府と日銀の政策協定(アコード)を要請していますが、デフレ脱却の最大の関門は消費者のインフレ期待を高めることです。ただし、財政出動を中心とする従来型の政策ではなかなか解消できなかったのも事実です。そのため、民間の知恵や工夫を活かす大胆な規制緩和や税制の見直しなどの政策の行方がポイントになってくると思われます。

また、視点が国内要因に向かいがちな一方、外部の環境にも目を配る必要があります。欧州では2月にイタリアで、9月にドイツでそれぞれ総選挙が予定されています。直近の欧州情勢は小康状態となっていますが、そもそも根本的な問題に大きな改善はなく、未だに不安の火種を抱えていることに変わりはありません。経済が持ち直しつつある中国も、3月の全人代に向けて政策期待が高まりやすい一方、インフレやバブルの再燃、地方政府の債務問題、社会不安の高まりが表面化する危険性を常に孕んでいます。中国も日本同様に、政治による改革や規制緩和の舵取りに注目が集まっています。

国内外を問わず、2013年相場の方向性を見ていく上では、年初からの3カ月間が特に重要となりそうです。まずは安倍新政権のお手並み拝見となりますが、期待先行に現実がキャッチアップしていく好循環となり、日本復活の狼煙を反映する相場になることに期待したいところです。

本年も宜しくお願い致します。


楽ラップ

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