
楽天証券と広島大学は、個人が市場の暴落や大きな変動に惑わされず合理的な投資行動を選択するため必要な要素を解明するべく行動ファイナンスの分野で共同研究をおこなっています。
この研究の一環として楽天証券は、大規模なお客様アンケートをおこない、その調査結果を多角的に分析することで得られた成果を「行動ファイナンスアンケート回答状況2026年版」として公開いたします。

楽天証券は、2022年より広島大学大学院経済学プログラム(経済学部)の角谷快彦教授と共同研究を進めています。
角谷教授はウェルビーイングを中心テーマに、行動ファイナンス、医療経済学、社会保障論などを専門とする研究者です。
角谷研究室は、エルゼビア社の世界最大級の研究者業績評価ツール「SciVal(サイバル)」で「金融リテラシーとウェルビーイング(Financial Literacy and Its Impact on Wellbeing)」の研究分野で、教授をはじめ研究員・助教・博士後期課程学生ら5名が世界トップ150にランクされています(2026年4月現在)。
主な著書に「Human Services and Long-Term Care: A Market Model」(Routledge)、「介護市場の経済学」(名古屋大学出版会)などがあります。
楽天証券との共同研究の成果の一つとして、2025年1月に当社社長・楠雄治との共著「楽天証券社長と行動ファイナンスの教授が「間違いない資産づくり」を真剣に考えた」(日経BP社)を刊行しており、投資初心者が合理的に資産形成するためのコツを分かりやすく解説しています。
2024年のNISA導入により、投資はこれまで以上に身近になりました。
しかし、直近ではトランプ米大統領による関税懸念や、イラン情勢などの地政学リスク等により、相場が大きく変動する局面が増えています。
このような相場の変動時にどこまで含み損に耐えて有価証券の保有を続けられるか、いわゆる投資握力には個人差があります。投資握力が高い人ほど、目先の相場の変動に惑わされずに投資を継続することができます。
本ページでは、投資握力と投資家心理との関係について、広島大学との共同研究成果を分かりやすく解説します。
有価証券の価格が下落した際に、売却せずに保有を継続できる損失の許容度です。
長期の資産形成において非常に重要と考えられます。
楽天証券と広島大学による産学共同研究では、以下の質問により投資信託の基準価額が下落した場合に売却せず保有を続けられる損失金額を測定しました。
皆様も、いくらの損失までなら保有を続けられそうか、ぜひセルフチェックしてみてください。
質問
投資信託に 100 万円を投資していると仮定してください。
もし損失が出た場合、どれくらいの金額までなら保有を継続しようと思いますか。(ひとつだけ)
歴史的に株式市場全体は超長期では上昇を続けてきましたが、短期的には大小さまざまな下落局面を経験しています。投資握力が低い投資家は、一時的な調整局面でも感情的に保有銘柄を売却してしまい、その後の相場回復・長期成長の恩恵を受けられなくなるリスクがあります。

お客様の属性別では、下記のような傾向が見られました。
投資信託に100万円を投資していると仮定した場合、どのくらいの損失までなら保有を継続するか


以下のような関係が見られました。
金融知識・金融行動・金融態度の3要素のスコアが高いほど投資握力が強い傾向が見られました(出典1)
投資信託に 100 万円を投資していると仮定した場合、どのくらいの損失までなら保有を継続するか



遠い将来については合理的に考えられる一方、直近の出来事には衝動的に反応しやすい傾向を持つ方(≒双曲割引、ある種の衝動性)は投資握力が低い傾向が見られました(出典2)
⇒長期投資の重要性を頭では理解していても、目の前の含み損という「今この瞬間の痛み」に衝動的に反応し、売却してしまいやすくなります。

客観的に測定した金融知識は低いにも関わらず、自己評価では金融知識が高いと感じている方(=自信過剰バイアス)は投資握力が低い傾向が見られました。(出典3)
⇒自身の判断を過信するあまり、「今売るべきだ」という誤った確信を持ちやすく、下落局面での保有継続が困難になると考えられます。

投資握力と関連するポイントとして、「金融知識・金融行動・金融態度」の3要素が挙げられます。これらの要素が高い傾向にある方について、以下の可能性が示唆されています。

「金融知識・金融行動・金融態度」の3要素を鍛えるために以下のことを心がけてみましょう
投資の際の心がけ
消費・家計管理の際の心がけ
金融知識・金融行動・金融態度いずれかに偏らないことが重要
角谷研究室による最新の研究では、金融知識(リテラシー)だけを単独で高めると、将来のリスクへの理解が深まる一方で、かえって老後不安が増してしまうことが示されています。一方、金融知識に加えて適切な金融行動(実際に資産形成に取り組む行動)と金融態度(お金に対する前向きで計画的な姿勢)がともなうと、老後不安は減少することも確認されています。
知識・態度・行動の3つはセットで高めることが重要です。
本ページでは、投資握力の分析に加え、2026年1月に実施したアンケートの各設問への回答状況も掲載しています。
アンケートに快くご協力いただいたお客様にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。
各設問についてご自身の相対的な位置づけが気になる方は、下のボタンから結果をご覧ください。