第18章 投資信託と確定拠出年金、変額年金保険

  • 投資信託

従来の基本年金額が決まっている個人年金とは異なり、加入後の運用実績が年金額に反映される変額年金保険や個人型確定拠出年金が新しく登場しています。変額年金保険や個人型確定拠出年金では、保険の契約者が自ら運用の責任を負い、投資信託などで運用を行い、運用実績がよければ増額した年金額が受け取れ、逆に運用がうまくいかないと年金額が少なくなります。

個人型確定拠出年金

個人型確定拠出年金には、国民年金に加入しているのであれば、自営業者とその配偶者は任意に加入できます。また、サラリーマンでも、勤務先の会社が確定拠出年金制度も既存の企業年金制度も導入していない場合には、個人型確定拠出年金に加入することができます。
加入するときは、国民年金基金連合会に申し込むことになりますが、一般には国民年金基金連合会から委託された金融機関(運営管理機関)などの窓口を通して申し込むことになります。
個人型確定拠出年金では、毎月の掛金は加入者が負担しますが、掛金の限度額は以下のように決まっています。

(1)自営業者の場合 : 国民年金基金の掛金と合わせて年間81万6千円(月額6万8千円)まで
(2)サラリーマンの場合: 年間18万円(月額1万5千円)まで

加入資格の詳細

<自営業者>
(1)年齢が60歳未満。
(2)国民年金の第一号被保険者で、国民年金を支払っていること。
<企業年金のない会社に勤める会社員>
(1)年齢が60歳未満。
(2)厚生年金の基礎年金部分が支払われていること(基礎年金、すなわち国民年金の保険料は、サラリーマンの場合、厚生年金を通じて徴収されています)。
(3)会社が厚生年金以外の企業年金制度を持っていないこと(たとえば厚生年金基金には厚生年金に追加する上乗せの通称「三階部分」がありますし、会社が確定拠出年金制度を持っている場合も加入資格がありません)。

運営管理機関は、リスク・リターン特性の異なる様々な運用商品を用意しています。具体的な運用商品としては、預貯金、公社債、投資信託、保険などがあります。加入者は、自分の判断と責任において、どの商品で、どれだけの金額を運用するのかを決定することになります。運用商品を選択の際には、運営管理機関からの情報提供などをもとにして、その運用商品がどのような特徴をもっているのかについて、しっかりと理解しておく必要があります。また、運用商品および金額(配分)については、随時見直しを行い、変更することが可能です。

個人型確定拠出年金のメリットとデメリット

個人型の確定拠出年金の主なメリットは、
(1)掛金は全額が所得控除の対象となる
(2)運用期間中の利益は課税されず、60歳になるまで全額が繰り延べられる
(3)60歳以降、掛金は一時金または年金として受け取ることができ、一時金で受け取る場合は退職所得として、年金として受け取る場合は公的年金(雑所得)として、税制上の優遇が受けられる
(4)常に自分の年金残高を知ることができる
(5) 公的年金を受給できる65歳までの収入を確保することができる
(6)同種の投資信託なら、確定拠出年金を利用して購入する方が手数料が安い
などが挙げられます。
一方、個人型確定拠出年金のデメリットとしては、
(1)運用資産を原則として60歳まで引き出すことができない
(2)運営管理機関によって異なりますが、加入手数料や年間の管理費のコストがかかる
(3)運用対象が加入した運営管理機関の運用商品に限定される
などが挙げられます。

変額年金保険

変額年金保険は、契約者が払い込んだ保険料のうち年金の支払原資となる部分を株式や債券などで運用し、その運用実績により受け取る年金額や解約返戻金が増減する個人年金保険です。
変額年金保険では、通常、契約者が払い込んだ支払原資は、契約者が選択した投資信託で運用されることになります。保険会社は、日本の株式や債券で運用を行う投資信託、海外の株式や債券で運用を行う投資信託など、契約者が選択できる投資信託としてさまざまな運用先を用意しているので、契約者は自分の年金原資をどんな投資対象で運用するかを自分の判断で選択する必要があります。また、運用開始後は、世界経済や金融市場の動向を見ながら、自分の判断で投資信託の乗り換えを行うことが可能となっています。
変額年金保険は、運用成績次第で、年金額が支払った金額を上回ることもあれば、払い込んだ金額を下回ることもあります。そのため、契約者は、運用先として選択した投資信託のリスクとリターンをしっかりと理解しておく必要があります。

変額年金保険のメリットとデメリット

変額年金保険の主なメリットは、
(1)支払った保険料が生命保険料控除の対象となる
(2)分配金や値上がり益といった運用益に対する課税が年金受取開始時または解約時まで繰り延べられる
(3)相続時に500万円×相続人の数までは非課税財産とみなされる
などといった、節税の効果です。
一方、変額年金保険のデメリットとしては、
(1)保険関連費用(死亡給付金や災害死亡給付金の支払い、契約の締結・維持に必要な費用)と資産運用関係費用(投資顧問料、投資信託の信託報酬および有価証券の保管料等の資産運用にかかる費用)で、毎年、運用資産の1.26%~3.5%程度がコストとして差し引かれる
(2)早期に解約すると解約控除費用(払込保険料総額の8%~0%程度で、経過年数が短いほど高い)が発生する
などといった、コスト面の割高さが挙げられます。

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