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第2回 米ドル建て資産を投資対象とする「為替ヘッジ型ファンド」

  • 投資信託

円高の進行はファンドのリターンにマイナス

2007年にサブプライム・ローン問題が顕在化して以降、リーマン・ショック、欧州債務問題、東北大震災など、投資家がリスク回避に向かう事象が相次いでいます。足元では米連邦債務の上限引き上げ問題が一旦解決したことから米国債のデフォルト(債務不履行)は回避されたものの、米連邦債務削減問題や米国債格下げのリスクは依然として残っており、今後の為替相場の見通しには不透明要因が存在します。これらの出来事を背景に、円高・米ドル安が大幅に進行しています。


(出所:ロイター・ジャパン)

外国資産を投資対象とするファンドに投資した場合、為替変動リスクが伴います。投資対象資産の通貨の対円為替レートが、投資を開始した当時より円安になればファンドのリターンはプラス(為替差益)になり、円高になればマイナス(為替差損)になります。

為替変動リスクを回避できる「為替ヘッジ型ファンド」

こうした市場環境下では外国資産に投資するのを躊躇する方も多いのではないしょうか。「外国資産に投資したいけれど、円高基調にある今は為替変動リスクを取りたくない…。」そのような投資家のニーズに応えるのが「為替ヘッジ型のファンド」です。

為替ヘッジとは、通貨の先物・オプション取引などを利用して、為替変動リスクを回避することを言います。為替ヘッジをすることで、円高による為替差損を回避することができます。ここ数年は、米ドルに対して円が大幅に上昇したため、為替ヘッジをしているファンドとしていないファンドで運用実績に大きな差が出ています。

為替
ヘッジ
ファンド名 委託会社 トータルリターン シャープ
レシオ
(1年)
分配金
累計
(1年)
6カ月 1年 3年
あり フィデリティ・USリート・ファンドA(為替ヘッジあり) フィデリティ 21.02 26.04 6.26 1.42 720円
なし フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) フィデリティ 11.28 15.02 -4.50 0.75 1,200円
あり 三菱UFJ NASDAQオープン Aコース 三菱UFJ
国際投信
9.02 35.26 -0.42 1.48 0円
なし 三菱UFJ NASDAQオープン Bコース 三菱UFJ
国際投信

-0.48

23.08 -10.07 0.87 0円
あり ピムコ ハイ・インカム毎月分配型ファンド(為替ヘッジ付き) 三菱UFJ
国際投信
5.92 7.04 8.14 2.63 585円
なし ピムコ ハイ・インカム毎月分配型ファンド 三菱UFJ
国際投信
0.62 0.49 -2.17 0.04 810円

ご留意事項:現在、「フィデリティ・USリート・ファンドA(為替ヘッジあり)」「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」は、信託財産限度額が上限に達しているため、新規のご注文および積立設定を停止させていただいております。

上表のように、円高局面では為替ヘッジ型ファンドが有効であることが確認できますが、為替ヘッジをしていれば、どんなファンドでも良いというわけではありません。
為替ヘッジ型ファンドを上手く活用するには、為替ヘッジのメリットとデメリットを知っておく必要があります。
まず、メリットは、円高時の為替差損を回避できることです。また、為替変動リスクを回避するため、ファンドの値動きの幅(価格変動リスク)も小さくなります。
下図は、米ドル建てのハイイールド債券を投資対象とするファンドで、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の累積リターンを比較したグラフです。
当該期間は、円高米ドル安が進行したため、為替変動リスクを回避しながら、ハイイールド債券の値上がり益だけを享受した「為替ヘッジあり」のファンドが、為替差損を被った「為替ヘッジなし」の運用実績を大きく上回りました。


※ 上記2ファンドの累積リターンを2006年6月末を100として指数化

一方、デメリットは、為替変動リスクを回避する代わりに円安時の為替差益を放棄することです。また、為替ヘッジをするとコストがかかることです。為替ヘッジをするときにかかるコストはヘッジコストと呼ばれ、一般的には二通貨間の短期金利の差がヘッジコストになります。例えば、金利の高い通貨(豪ドル)を金利の低い通貨(円)でヘッジした場合、オーストラリアと日本の短期金利差がファンドのリターンにマイナスに作用します。

下図は、豪ドル建て債券を投資対象とするファンドで、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の累積リターンを比較したグラフです。
当該期間は円安豪ドル高が進行したため、為替差益をそのまま享受した「為替ヘッジなし」のファンドが、為替差益を得られず、さらに、ヘッジコストによりリターンを押し下げられた「為替ヘッジあり」の運用実績を上回りました。


※ 上記2ファンドの累積リターンを2006年6月末を100として指数化

以上のように、為替ヘッジ型のファンドを選ぶ際は、投資対象資産の通貨が何建てなのか、為替ヘッジコスト(二国間の金利差)がどれだけリターンを押し下げるのかを考慮することが重要です。

円と米ドルの短期金利差が小さいときは米ドル建て資産の為替ヘッジ型ファンドを活用

このような視点で、現在の投資環境を見てみると円と米ドルの関係には投資妙味があると考えます。
「円/米ドルの為替相場の見通しには不透明要因があり、今この時点で為替変動リスクを取ることは避けたい。」
「円と米ドルの短期金利の差は小さい。すなわちヘッジコストがリターンを押し下げる要因も小さい。」
こうした考えに納得できるのであれば、「米ドル建て資産」を投資対象とする「為替ヘッジ型ファンド」を選択しても良いのではないでしょうか。

一括りに「米ドル建て資産」といっても、投資対象は米国株式、米ドル建て債券(米国債、投資適格社債、ハイイールド社債、新興国債など)、米国REIT(不動産投資信託)、コモディティ(金、商品先物)など様々です。下表は楽天証券の取扱ファンドのうち、米ドル建て資産を主な投資対象とするファンドのラインナップですが、ほぼ全てのファンドの過去1年間のトータルリターンがプラスであることは、為替ヘッジが奏功した結果といえるでしょう。

為替
ヘッジ
ファンド名 委託会社 トータル
リターン
シャープ
レシオ
(1年)
分配金
累計
(1年)
1年 3年
米国株式 グローバル・ヘルスケア&バイオ・オープン Aコース(為替ヘッジあり) 三菱UFJ
国際投信
20.57 2.86 1.68 100円
米国NASDAQオープンAコース 野村 31.66 9.73 1.66 0円
三菱UFJ NASDAQオープン Aコース 三菱UFJ
国際投信
35.26 -0.42 1.48 0円
netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンドAコース(為替ヘッジあり) ゴールドマン 17.92 8.50 0.94 0円
中央三井ダウ・ジョーンズ インデックスファンド(為替ヘッジあり) 中央三井 0円
米国REIT パインブリッジ米国REITインカムファンドAコース(為替ヘッジあり) パインブリッジ 27.91 9.45 1.57 240円
フィデリティ・USリート・ファンドA(為替ヘッジあり) フィデリティ 26.04 6.26 1.42 720円
ゴールドマン・サックス 米国REITファンドAコース(毎月分配型、為替ヘッジあり) ゴールドマン 16.46 -1.53 1.22 360円
米国債
および
米ドル
建て
投資適格債
PRUアメリカ中期社債ファンド(為替ヘッジあり/6カ月決算型) プルデン 2.94 5.28 1.66 200円
アセットバック証券オープンCコース 野村 3.23 2.60 0.79 239円
アセットバック証券オープンAコース 野村 3.09 2.47 0.75 247円
コーポレート・ボンド・インカム(為替ヘッジ型) 三井住友 3.64 0.68 650円
UBS公益・金融社債ファンド(為替ヘッジあり) UBS 300円
米ドル
建て
債券
(複合)
MHAM USインカムオープンAコース(為替ヘッジあり) MHAM 11.35 8.13 3.39 360円
パインブリッジ米国優先証券ファンド パインブリッジ 9.71 9.43 3.30 300円
ピムコ ハイ・インカム毎月分配型ファンド(為替ヘッジ付き) 三菱UFJ
国際投信
7.04 8.14 2.63 585円
フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンドAコース(為替ヘッジ付き) フィデリティ 6.18 6.94 2.53 825円
三井住友・USボンドオープン(為替ヘッジ型) 三井住友 5.10 6.39 1.42 400円
米ドル
建て
ハイイールド債券
ハイ・イールド ボンド オープンCコース 野村 13.02 8.24 3.87 570円
ハイ・イールド ボンド オープンAコース 野村 13.01 8.17 3.87 485円
みずほUSハイイールドオープンAコース(為替ヘッジあり) MHAM 11.57 10.59 3.66 1,200円
高利回り社債オープン・為替ヘッジ(毎月分配型) 野村 13.16 11.97 3.53 960円
ピムコ・ハイイールド・ファンド Bコース(為替ヘッジあり) 日興 10.99 8.81 3.17 574円
三井住友・米国ハイ・イールド債券ファンド(為替ヘッジ型) 三井住友 10.64 3.14 1,440円
PIMCO 米国ハイイールド債券 通貨選択型ファンド<円コース> 中央三井 10.50 3.05 915円
米国ハイイールド債券ファンド 通貨選択シリーズ<円コース>(毎月分配型) 三菱UFJ
国際投信
280円
米国ハイ・イールド債オープン(通貨選択型)<円コース>(毎月決算型) 三菱UFJ
国際投信
420円
米ドル
建て
新興国
債券
新興国公社債オープン(通貨選択型)円コース(毎月決算型) 三菱UFJ
国際投信
8.01 1.90 600円
エマージング・ボンド・ファンド・円コース(毎月分配型) 大和住銀 7.76 1.77 900円
エマージング・ソブリン・オープン(毎月決算型)為替ヘッジあり 三菱UFJ
国際投信
8.02 1.61 1,245円
ピムコ・エマージング・ボンド・オープン Bコース(為替ヘッジあり) 三菱UFJ
国際投信
6.78 8.17 1.46 720円
野村新興国債券投信Aコース(毎月分配型) 野村 7.43 7.32 1.43 1,200円
DIAM新興国ソブリンオープン通貨選択シリーズ<円コース> DIAM 8.36 1.33 860円
DWS 通貨選択型エマージング・ソブリン・ボンド・ファンド<円コース>(毎月分配型) ドイチェ 5.31 1.05 480円
野村インデックスファンド・新興国債券・為替ヘッジ型 野村 0円
商品先物 MHAM金先物ファンド(ロング型) MHAM 28.21 1.92 0円
MHAM原油先物ファンド(ロング型) MHAM 10.97 0.38 0円

BNPパリバ・オシレーター・コモディティ・ファンド

BNP 0円
  • 米ドル建て債券(複合):米国債および投資適格債のほか、ハイイールド債、新興国債、優先証券、転換社債など複数種類の債券等でポートフォリオを構成しているファンド。

上表の中でも、特に「米ドル建ての新興国債券」や「金」には注目したいところです。
米ドル建て新興国債券は、米国債とのイールドスプレッド(利回り差)が横ばいで推移しているものの、他の資産と比較して利回りが高い水準にあります。 また、新興国の堅調なファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に支えられて信用格付けが格上げされれば、債券価格の上昇が期待できます。
金は、新興国の旺盛な需要に支えられているほか、欧州や米国の債務問題に起因した信用不安等を背景に、未だ上昇基調にあります。
いずれの資産も米ドル建てであり、円と米ドルの金利差がほとんどない(為替ヘッジコストがほとんどかからない)現在、為替ヘッジにより為替変動リスクを回避しながら、投資対象資産の値上がり益だけを期待できることは、投資家にとってメリットが大きいといえるでしょう。

投資信託のリスクと費用について

投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なり、多岐にわたりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。

投資信託の取引にかかるリスク
  • 主な投資対象が国内株式

    組み入れた株式の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

  • 主な投資対象が円建て公社債

    金利の変動等による組み入れ債券の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

  • 主な投資対象が株式・一般債にわたっており、かつ、円建て・外貨建ての両方にわたっているもの

    組み入れた株式や債券の値動き、為替相場の変動等の影響により基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

投資信託の取引にかかる費用

各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.32%)およびファンドの管理費用(信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。

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    「買付手数料」:ファンドによって異なります。

  • 保有期間中に間接的にご負担いただく主な費用

    「ファンドの管理費用(信託報酬)」:ファンドによって異なります。

  • ご換金時にお客様に直接ご負担いただく主な費用

    「信託財産留保額」「換金手数料」:ファンドによって異なります。

買付・換金手数料、ファンドの管理費用(信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。
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