値下がりのリスクを抑えながらじっくり増やしたいならば、金利収入の積み上げが主な収益源となる債券投信に投資しましょう。債券投信ではじめての1本を選ぶのであれば、世界のさまざまな債券に分散投資するものが良いでしょう。また、債券投資で重要なのは為替リスクです。運用初心者にとって、将来円安になるか、円高になるかを予測することは至難の業です。金利収入を積み上げても、円高で為替差損が発生すれば、ファンドの基準価額は値下がりしてしまいます。そこでおすすめするのが運用会社が為替リスクを管理してくれるファンド。「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド Cコース(為替ヘッジあり・年2回)」は、世界のさまざまな債券に分散投資し、さらに景気動向や投資環境の変化に応じて、債券や通貨の配分を柔軟かつ機動的に変更してくれます。このタイプの債券投信は、資産運用で一歩先を行く米国でもとても人気があり、まとまった資金の運用先として活用されています。
「最初に買うならこの1本」で「守りの1本」としてご紹介した「マニュライフ・フレキシブル戦略ファンド Cコース(為替ヘッジあり・年2回)」は、世界のさまざまな債券に分散投資しながら、国債よりも相対的に高い金利を積み上げていく運用が特徴のファンドです。
一方、本コーナー「守りの分散」でご紹介する「テンプルトン世界債券ファンド 限定為替ヘッジコース」は、世界の国債(新興国も含む)を主な投資対象とし、為替リスクをコントロールしながらも、為替差益を獲得する運用に秀でたファンドです。両ファンドとも、為替リスクに配慮する運用に違いはありませんが、積極性という観点では「テンプルトン世界債券ファンド 限定為替ヘッジコース」に分があり、その投資姿勢の違いから同じ債券に投資するファンドでありながら、高い分散効果が期待できます。
当ファンドの日本での知名度はまだ低いですが、同様の運用戦略を採用する外国籍ファンドの総運用資産残高は11兆円超(2014年8月末時点)と世界最大規模を誇り、設定来約28年間(同年同月末時点)の運用成績は803.71%と約9倍に成長しています。
投資信託業界での販売・運用・評価分析という幅広い経験を持つ、楽天証券経済研究所のファンド・アナリスト 吉井 崇裕が、新たに投資信託を始めるお客様の「ファンドの選び方がわからない」といったご要望にお応えし、定量・定性の両面から分析し攻め・守り・おまかせの1本をご紹介いたします。