本章のまとめ
海外先物は究極のトレード対象
トレーダーのイメージ通りに、細かいニュアンスまで正確に表現できる
海外先物ならではの使いにくい面もたくさんあるのでルールを覚える必要がある
海外先物では一番出来高の多いコントラクトをトレードすること
多くの場合、期近のコントラクトの出来高が多い
但し最終売買日が近づいている時など期近の出来高が減る時もあるので注意
余裕資金でトレードすること
トレード日誌をつけて、常に小さなカイゼンを心がける事
海外先物は本格派トレーダーを目指す個人投資家が最後に行き着く、究極のトレード対象であると私は考えています。
その理由は、先物取引という商品の「運動性能の高さ」によります。
これをたとえで説明すると海外先物はマニュアル・シフトのレースカーのようなものです。
スタート・ダッシュで飛び出したいとき、あるいはエンジン・ブレーキを使ってクルマが滑らないように減速したいときなど、マニュアル車ではドライバーが自分でギアを選べるので、きめの細かい、きびきびした運転が可能です。
海外先物もちょうどそれと同じで(自分のイメージ通りのトレードがしたい)と思うトレーダーにとっては最も細かいニュアンスまで正確に表現できるトレード対象なのです。
海外先物はトレーダーのイメージ通りに、最も細かいニュアンスまで正確に表現できるトレード対象である。
なぜそれが可能か? といえば海外先物は取引所での取引ですので板が見れるし、E-mini S&P 500などの人気商品は市場参加者の層が厚いので出入りも自由自在だからです。
またリバージョン・トレード(=第9章、第19章で説明しました)のように数ティックを抜くようなトレードは海外先物だからこそできるトレード戦略だと言えるでしょう。
そのようなメリットがある半面、海外先物ならではの使いにくさがあることも否めません。
例えばスプレッドの事を深く理解もせず、ぼんやりと期先のコントラクトを選んで成り行き注文を出してしまうと、ビッドとアスクが開いているせいで売り買いの往復だけですごく損をしたりします。
海外先物では一番出来高の多い限月をトレードすることがコツです。
多くの場合、期近のコントラクトの出来高が一番多いです。しかし、そうでない場合もあります。
期近のコントラクトでも最終取引日が近づくと出来高が細るケースもあります。これは穀物や原油に代表される、現物決済銘柄でとりわけよく見られる現象です。
自分が買った限月を勘違いして間違った限月を反対売買したために手仕舞ったつもりがちゃんと手仕舞えていなかったというような間違いも犯しやすいです。
このように先物取引にはいろいろ知っておかなければならないことがあり、取引の原則を無視したり、無知だったりすると容赦なく痛めつけられます。
海外先物は取引の原則を無視したり、それに無知だったりすると容赦なく痛めつけられます。
先物取引はレバレッジが効かせられるので効率よくトレードできるし取引コスト面でも有利です。
先物取引は売りからでも入れるのでマーケットの環境が悪いときでもトレード機会はいくらでもあります。
先物取引はリスク・ヘッジの道具として利用することもできます。
取引所取引なので常にベストのプライスが表示されます。また取引所がちゃんとトレードを管理・監督しているということが安心感をもたらしています。
海外先物はその仕組み上、長期投資には全然向きません。ですから、トレードに際しては「ババ抜きゲーム」のような感覚で接してください。
もちろん、いつまでもポジションを持ったままにしてはいけません。デイトレを基本とし、よっぽどの理由がない限り、数日間ポジションを持ち続けることは避けてください。
miniかラージか迷った時はminiからトレードするとよいです。なぜなら先物取引はレバレッジがかかっているので、ぼんやりしていると自分が気が付かないうちに大きなポジションを取ってしまうリスクがあるからです。
先物取引をはじめるにあたり、重要な事は余裕資金で取引をおこなうということです。
期先のコントラクトを長期投資のつもりでトレードすると、スプレッドで思わぬ高い買い物につく場合があります。面倒でも期近のコントラクトをまず選び、ロール・オーバーする習慣を身につけてください。
トレーディングは自分の戦略の微調整と改良の連続です。自動車メーカーが「カイゼン」の精神で常に品質向上を目指すのと基本的には何も変わらないのです。
そのためにはトレード日誌をつけてください。
現実的トレーダーは、自分の定めたルールに基づいてポジションを取ります。またポジションを取る前にこのトレードがどのくらいの確率で勝てるのか、勝率を知っています。
海外先物取引の価格は対象となっている株価指数や商品等の価格の変動、または金利、通貨、経済指標、政治情勢の変化等、さまざまな要因により上下するため、これにより損失が生じるおそれがあります。とくに海外商品先物取引は、それぞれの商品(コモディティ)に特有なファンダメンタルズ(経済の基礎的要因)の影響を受ける等のリスクがあります。また、海外先物取引は差し入れた委託証拠金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託証拠金を上回るおそれがあります。委託証拠金率が一定率を下回った場合、ロスカットルール(※)により全ポジションが強制決済されます。市場環境が急激に変動する場合には、ロスカット価格がロスカットルール適用時の価格から大きく乖離して約定することがあり、その結果、損失額が委託証拠金の額を上回る可能性があります。
1枚あたり以下の取引手数料がかかります。
銘柄名 取引手数料(米セント未満切捨て)
株価指数(Equity Index) 米ドル建 4.95米ドル(税込)/枚、円建 ラージタイプ 440円(税込)/枚、円建 ミニタイプ(SGX) 220円(税込)/枚、円建 ミニタイプ(CME) 330円(税込)/枚
エネルギー(Energy)、金属(Metals)、農産物(Agriculture) 米ドル建 ラージタイプ 6.60米ドル(税込)/枚、米ドル建 ミニタイプ 4.95米ドル(税込)/枚、米ドル建 マイクロタイプ 2.75米ドル(税込)/枚
海外先物取引をおこなうには委託証拠金の差し入れが必要です。必要委託証拠金は各外国金融商品取引所または各外国商品取引所が発表するイニシャル証拠金(発注時証拠金)、メンテナンス証拠金(維持証拠金)およびSPAN(シカゴマーカンタイル取引所が開発した証拠金計算方法)をもとに当社が定めます。
※海外先物取引について、必要な証拠金に対する取引金額の比率は、銘柄によって異なるため記載することができません。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
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