第7回 「ストキャスティクス」編

「ストキャスティクス」は、相場の過熱感を判断するときに使うので、第4回で解説している「RSI」と似ていて、「買われすぎ」「売られすぎ」を判断するオシレーター系の指標です。
当社では、「ノーマルストキャスティクス」「スローストキャスティクス」「ストキャスティクス(オリジナル)」の3種類のテクニカルチャートをご用意しておりますが、ここでは、主に「ノーマルストキャスティクス」について解説いたします。

ストキャスティクスとは?

「ストキャスティクス(Stochastics)」とは、「推計」という意味です。「推計」とは、簡単にいえば、様々な計算をおこない、それをもとにして目的とする数値を推定することです。
テクニカル分析手法として使う「ストキャスティクス」は、その日の終値が、ある一定期間の最安値を基準としてどの程度の位置にあるかを算出して、「買われすぎ」「売られすぎ」をみる指標です。

ストキャスティクスの設定

マーケットスピードの「環境設定」の「プロパティ1」で、移動平均の日数や週数、月数をご自由に設定することができます。大局的なトレンドを確認するには、ご自身の投資判断に利用するのにベストな組み合わせを用いることが必要です。

  1. (1)環境設定画面の起動
    [メイン画面]

    (1)環境設定画面の起動
    [ツールバー]

    環境設定画面の起動

    「メイン画面」の上、または、「ツールバー」の右上の『環境設定』をクリックしてください。『MarketSpeed - 環境設定』画面が表示されます。

  2. (2)ストキャスティクスの設定方法

    ストキャスティクスの設定方法

    『MarketSpeed - 環境設定』画面にて、「テクニカル」のタブを選択してください。「ノーマルストキャスティクス - %K」の上で左クリックをして選択し、左上の「設定」ボタンをクリックしてください。『MarketSpeed -テクニカル詳細』が表示されます。計算期間の指定は分足1~99本、日足1~99日、週足1~99週、月足1~99月(ヵ月)の範囲で設定してください。「ノーマルストキャスティクス - %D」の変更も同様です。

ストキャスティクスを使った売買タイミングの計り方

売買タイミングの計り方

「ノーマルストキャスティクス」には、「%K」と「%D」という指標があります。「%K」とは、直近の終値が過去のある一定期間の範囲のどの位置にあるかを示しています。また、「%D」は「%K」の5日間の値を平均したものです。「ノーマルストキャスティクス」も「RSI」と同じく、一般的に数値が70%以上で買われすぎ、逆に30%以下で売られすぎとされています。ただし、「%K」は値動きに反応しやすく、売買シグナルが頻繁に出るという特徴があるため、「%K」よりも相場に対する反応が穏やかな「%D」を分析に併用することで、売買判断の精度を上げることが可能になります。

ストキャスティクスのチャートの例

「ストキャスティクス」は長い上昇トレンドや下降トレンドが発生している時は70%以上や30%以下の売買サインが出ても「ダマシ」が多くなる傾向があります。そこで、自分なりに80%以上や20%以下、90%以上や10%以下まで待つといった確実性を高めることも必要です。
また、別の売買シグナルとして、下記の2つのシグナルも売買判断に用います。
(1)「%K」が「%D」を下から上に突き抜けると「買い」
(2)逆に、「%K」が「%D」を上から下に突き抜けると「売り」
下記のチャートをご覧いただくと、赤丸の部分は「%D」が25%以下で(1)の「%K」が「%D」を下から上に突き抜けた状態で、結果的に「ダマシ」ではなかった部分です。逆に青丸の部分は、「%D」が85%以上で(2)の「%K」が「%D」を上から下に突き抜けた状態で、結果的に「ダマシ」ではなかった部分です。

ストキャスティクスのチャートの例

「ストキャスティクス」は「ダマシ」の多いテクニカル分析手法ですので、自分なりの使い方を見出す必要があります。例えば、先行性があるものの「ダマシ」の例も多い「ノーマルストキャスティクス」だけでなく、「ノーマルストキャスティクス」に比べてシグナルの出現が遅いものの、「ダマシ」が少ない「スローストキャスティクス」を併用して使うなど、この指標だけを見て判断をすることはできる限り避け、他の指標とうまく併用することで、自分なりの売買タイミングを見つけていくことが必要です。また、「ダマシ」であった場合に備えて、ロスカット等の自分なりの投資のルールを作り、それを守っていくことも、投資をおこなっていくうえでは非常に重要であるということも忘れないでください。

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先物・オプション取引のリスクと費用について

先物・オプション取引にかかるリスク

先物・オプションの価格は、対象とする株価指数や商品市場の相場の変動等により上下しますので、これにより損失が生じるおそれがあります。また、先物取引は、少額の証拠金で当該証拠金の額を上回る額の取引をおこなうことができ、大きな損失が発生する可能性があります。その損失は証拠金の額だけに限定されません。大阪取引所において、同一の先物・オプション口座で指数先物取引以外の先物取引又はオプション取引(商品先物取引、オプション取引)を取引する場合、当該先物・オプション取引口座内での取引の証拠金は一体として計算・管理されるため、指数先物取引以外の取引において相場の変動により証拠金が不足し、証拠金の追加差入れ又は追加預託が必要になる場合があります。また、所定の時限までに証拠金を差し入れ又は預託しない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由に該当した場合には、それが対象の先物取引に関して発生したものでなくても、その他の先物・オプション取引の建玉が決済される場合もあります。更にこの場合、その決済で生じた損失についても責任を負うことになります。オプション取引はオプションを行使できる期間には制限があります。また、オプションの市場価格は、現実の株価指数の変動等に連動するとは限りません。価格の変動率は現実の株価指数の変動率に比べて大きくなる傾向があり、場合によっては大きな損失が発生する可能性があります。

オプション取引における買方特有のリスク

オプションは期限商品であり、買方が期日までに権利行使または転売をおこなわない場合には権利は消滅し、買方は投資資金の全額を失うことになります。

オプション取引における売方特有のリスク

売方は、市場価格が予想とは反対の方向に変化したときの損失が限定されていません。また、売方は、オプション取引が成立したときは、証拠金を差し入れまたは預託しなければなりません。大阪取引所において、同一の先物・オプション口座でオプション取引以外の先物取引(指数先物取引、商品先物取引)を取引する場合、当該先物・オプション取引口座内での取引の証拠金は一体として計算・管理されるため、オプション取引以外の取引において相場の変動により証拠金が不足し、証拠金の追加差入れ又は追加預託が必要になる場合があります。また、所定の時限までに証拠金を差し入れ又は預託しない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由に該当した場合には、それが対象のオプション取引に関して発生したものでなくても、その他の先物・オプション取引の建玉が決済される場合もあります。更にこの場合、その決済で生じた損失についても責任を負うことになります。売方は、権利行使の割当てを受けた際には必ずこれに応じる義務があり、権利行使価格と最終清算指数(SQ値)の差額を支払う必要があります。

先物取引にかかる費用

1枚あたり以下の取引手数料がかかります。
銘柄名 取引手数料
日経225先物取引 275円(税込)/枚
日経225ミニ先物取引 38.5円(税込)/枚(1円未満切捨)
日経225マイクロ先物取引 11円(税込)/枚
東証グロース市場250指数先物取引 41.8円(税込)/枚(1円未満切捨)
金先物・白金先物・銀先物・パラジウム先物・ゴム先物・とうもろこし先物・大豆先物・小豆先物取引 275円(税込)/枚
金ミニ先物・白金ミニ先物・金スポット・白金スポット取引 77円(税込)/枚

オプション取引にかかる費用

日経225オプション取引は1取引あたり、日経225ミニオプションは1枚あたり以下の手数料がかかります。
銘柄名 取引手数料
日経225オプション取引 売買代金の0.198%(税込)最低手数料198円(税込)(1円未満切捨)
日経225ミニオプション取引 19.8円(税込)/枚(1円未満切捨)

委託証拠金等について

先物・オプション取引をおこなうには、委託証拠金の差し入れが必要です。必要委託証拠金はVaR方式(特定のポジションを一定期間保有すると仮定した場合において、将来の価格変動により一定の確率の範囲内で予想される損失をカバーする額を計算する方法)によって計算され、「(取引所証拠金額×当社が定める証拠金掛目)-ネット・オプション価値総額+先物両建て証拠金」となります。

※先物両建て証拠金=銘柄ごとの両建て枚数×両建てにかかる限月の中で最も高い1枚あたりの取引所証拠金額×当社が定める証拠金掛目
※先物両建て証拠金は、価格の変動に損益が連動しない建玉(両建玉)を保有している場合であっても、上記算出式に基づく証拠金額が必要です。
※両建て取引は経済合理性に欠くおそれがあり、費用も二重にかかることをご理解のうえで、お取引ください。

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