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個人投資家の皆さんからよくいただく質問に、「長期投資しよう、とよく言われるけれども、長期ってどれくらい?」というものがあります。 個々人の年齢や家族構成、ライフプラン、投資リスクを取ることに関する性格的な向き・不向き等によって、投資期間の考え方は千差万別で一概に言えません。しかし、それをあえて承知で、投資リターンの側面だけで考えてみましょう。 まず、このコラムでも何回か紹介している、グローバル株式の長期推移をあらためて見てみます。下図のMSCIワールドというのは、先進国株式全体の動きを表す代表的な指数です。 1969年末〜2014年6月末、月次データ この指数の推移は、円ではなく米ドルベースのものではありますが、なんと44年半で45倍にも成長しています。先進各国の株式に分散投資するような場合、冒頭の質問の答えとしては、長ければ長いほどいい、ということになりそうです。つまり、数年より10年、10年より20年、30年、40年です。それにより、少なくとも過去においては、何十倍という大きな収益が得られてきました。 ただ、長ければ長いほどよい、とだけいうのもちょっとぶっきらぼうなのでもう少し考えてみましょう。 そもそも、長期投資を機能させるとはどういうことか?それは、投資対象を売り買いせず長い期間保有して、収益を得ることです。 となると、長期投資にはどれくらいの期間が必要か、という問題は、いついかなる時に買っても、その後ちゃんと収益になる(儲けが出る)、というのはどれくらいの期間か、と言い替えることが可能です。 その観点で、もう一度先進国株式全体の推移を見てみましょう。 1969年末〜2014年6月末、月次データ 近年で最も大きな下落は、2000年代初頭のITバブル崩壊、そして同じく2000年代後半のリーマンショックです。もし暴落直前の最高値で買ってしまった場合、その高値を超えてさらに上昇するのには、それぞれ70か月、69か月かかりました。 つまり、いつ買っても、6年程度以上持てば、ITバブル崩壊やリーマンショックのような未曽有の暴落があっても必ずプラスになった、というのが、近年の米ドルベースでの先進国分散株式です(これは指数での議論であり、実際の投資商品の場合ではケースバイケースであるとともに、運用コストがかかります)。 「長期ってどれくらい?」と聞かれたときになんとなく「5〜6年かなあ」と答えるやり取りも見ますが、感覚的には合っている、ともいえるでしょう。 さて、ここで日本株です。 1989年1月末〜2014年6月末、月次データ 「いつ買っても、○○年以上持てば利益になった」、ということが言えれば、長期投資が機能してきたということだし、その「○○年」がどれくらい持てばいいかの一つの目安になり得ます。しかし、日本株においては、その代表的指数が約四半世紀経っても高値更新していないので、目安を論じることが困難です。「長期とはどれくらいか」という質問に対し誰もが自信を持って答えることができない理由の一つは、ここにあるのではないでしょうか。 そんな背景の中、もう一つのよくある質問は、「日経平均株価はいつまでにいくらになるか」といったものです。多くの場合、この言葉の後ろに隠れているのは、頃合いを見計らって売り抜けたいという気持ちです。そしてこれは、上がるときがあればそこで売ってしまうのが結果として正解だった、長い低迷の中で培われてしまったクセだと思うのです。 売ることを考える必要がないポートフォリオ、つまり、持っていれば長期的に上昇し続けると信じられるポートフォリオを組んで、ラクな気持ちで持ち続け、お金の必要があるときに少しずつ売る。それがなければ売り時なんか気にしない。それこそが、私が皆さんと目指したいことなのです。 投資との付き合い方や用語解説「ちょっととがった長期投資講座」 人気ファンドの基準価額を当日中に確認したい方 今日の話になるほどと思った方へ:色川が直接お話しします 2013年5月30日開催セミナー動画配信 2013年7月18日開催セミナー動画配信 2013年8月29日開催セミナー動画配信 2013年9月26日開催セミナー動画配信 2013年11月7日開催セミナー動画配信 投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、申込手数料等の費用が異なり、多岐にわたりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。 投資信託の取引にかかるリスク 主な投資対象が国内株式 主な投資対象が円建て公社債 主な投資対象が株式・一般債にわたっており、かつ、円建て・外貨建ての両方にわたっているもの 投資信託の取引にかかる費用 各商品は、銘柄ごとに設定された購入又は換金手数料(最大税込4.32%)および運営管理費用(信託報酬等)の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。 ご購入時にお客様に直接ご負担いただく主な費用 保有期間中に間接的にご負担いただく主な費用 ご換金時にお客様に直接ご負担いただく主な費用 買付・換金手数料、信託報酬、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。 各商品のお取引にあたっては、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。
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