※配信先の変更・停止は巻末をご覧ください。

楽天証券ニュース[マーケット情報] 発行:2011年1月11日 楽天証券株式会社

楽天証券

楽天投信投資顧問 CEO兼最高運用責任者が、1週間のマーケットに鋭く斬り込む! 大島和隆からの手紙

1月第2週

マーケット概況

株式 週末終値
(1/7終値)
前週末比
(12/30比)
日経平均 10,541.04 +312.12 +3.05%
NYダウ 11,674.76 +97.25 +0.84%
金利・為替 週末終値
(1/7終値)
前週末比
(12/30比)
長期金利 1.200 % +0.090%
ドル/円 83.15  
ユーロ/円 107.32  

※ 米国市場は1月7日と12月31日の比較

2011年は株式投資復権!!

前週の総括

■立ち上がり好調

 この一週間の市場の動きは上記の表の通りです。日経平均株価はテクニカル指標面では過熱感が指摘されながらも、年始大発会から快調に値を飛ばして8カ月ぶりとなる10,500円台を回復して終了しました。気掛かりとなっていた売買代金の方も大発会から1兆1,509億円にも膨らみ昨年の7,080億円に比べるとなんと約43%もの増加、さらに日経平均株価が10,500円台に乗り始めると更に増加して6日には1兆5,695億円にまで膨らみました。新興市場も東証マザースが年末対比プラス3.67%の上昇となるなど、好調な出だしとなりました。

■2011年スタートはハイテク株と輸出関連が主導

 この日経平均株価の上昇を主導したのはハイテク株と輸出関連株です。年末年始に一時80円台にまで進んだ円高も日本市場の取引が開始された4日には82円台にまで落ち着きを取り戻し、好調な米国株式市場の流れを素直に受け入れる素地が整っていたと言えます。指数貢献度合いの一番高かった銘柄はファナック(6954)で日経平均株価の312円の上昇分の25円分がこれによるものです。以下、TDK(6762)の15.7円、京セラ(6971)の15.3円、信越化学工業(4063)の13.7円、ソフトバンク(9984)の11.0円と続き、上位この5銘柄で日経平均株価の上昇分約4分の1を説明できます。一方、足を引っ張った最大の銘柄はファーストリテイリング(9983)がマイナス24.1円と断トツで、以下、千代田化工建設(6366)日本通運(9062)ヤフー(4689)武田薬品(4502)と続きますが、内需関連とディフェンシブ銘柄が足を引っ張ったという感じです。

 これは米国市場の動向についても同様なことが言え、昨年末から週末に掛けての上昇はレガシー(伝統的な)な米国のブルーチップ銘柄30種で構成されるNYダウの上昇率が+0.84%に留まるところを、ハイテク株のウエイトが高いナスダック総合指数はその2倍以上となる+1.90%の上昇となっています。同指数がすでにリーマン・ショック前の水準を完全に取り戻していることは前回もご説明しましたが、ハイテク株の見通しの明るさを裏付けるものと考えています。


(出典:Bloomberg.)

<昨年初めからのドル建て日経平均株価です。----------- 年初来出来高も膨らんでいますが、外国人投資家が見た日経平均株価はかなり好調なパフォーマンスを直近は示現しています。>

■ラスベガスの『CES2011』は大きな注目材料

 先週市場の大きな話題となって注目を呼んでいたのは1月6日〜9日に開催(現地時間)から米国ラスベガスで開催されていた世界最大のコンスーマー・エレクトロニクス・ショーである『2011 International CES』です。毎年その年のデジタル家電の動向を占う上で要注目の同イベントですが、今年はやはりスマートフォンとタブレット型PCが話題の中心となったようです。つまりアップル(AAPL)が投入した『iPhone(スマートフォン)』と『iPad(タブレット型PC)』が火をつけた市場と言うことで、やはり年初来のナスダック総合指数の上昇を牽引したのも同社でした。下の表は今年入ってからのナスダック総合指数の上昇に貢献した上位10銘柄の内訳でアップルがダントツなのは事実ですが、その他を見ても10位のアムジェン(AMGN)を除いて全てこれら『CES2011』を賑わしている話題に関連する銘柄で、この上位10銘柄でこの間のナスダック総合指数の上昇分の56.52%を説明してしまいます。

 ちなみに2位のマイクロソフト(MSFT)は『CES2011』の前夜祭で基調講演をするのが慣わしで、ハイテク株投資をするならば一見の価値あるものですが、今年も同社CEOのSteve Ballmer氏が『次世代Windows OS』の情報を一部公開しました。『次世代Windows OS』では旧来の“パソコン”という概念にとらわれない機器とも言える話題の渦中の製品群上でも動くことが期待されるもので、関連銘柄の筆頭格であるアーム・ホールディングス(ARMH)(英国ケンブリッジ大学のキャンパス近くにある英国企業ですが、米国ナスダック市場でADR銘柄として取引ができます。)なども高値更新を続けております。

銘柄名 TICKER 指数貢献
アップル AAPL 8.190
マイクロソフト MSFT 3.719
グーグル GOOG 3.675
シスコシステムズ CSCO 2.701
クワルコム QCOM 2.386
バイドゥ BIDU 1.832
エヌビディア NVDA 1.705
アマゾン・ドット・コム AMZN 1.622
プライスライン・ドット・コム PCLN 1.327
アムジェン AMGN 1.275
合計 28.432

(作成:楽天投信投資顧問)

 一方、面白いことにナスダック総合指数の足を引っ張った筆頭銘柄がインテル(INTC)となります。年末の米国クリスマス商戦の好調が報じられるなかで、スマートフォンやタブレット型PCの人気がコンベンショナル(伝統的)なパソコンの売り上げを奪ったという市場の認識もあり、これが同社の株価の伸びを直撃した感じです。今週、米国企業の先陣を切って決算発表が行われる予定ですから要注目です。実際にはそんなに失望感を誘うような決算はでないはずです。また同社は今年新しいプラットフォームとなる『Sandy Bridge』を市場投入予定ですから、今年も目が離せないことは間違いありません。

 これにあわせるかのように、パソコンに使われるDRAM価格が1ドル割れをしたことが日本の新聞でも報じられていますが、一方でスマートフォンなどに使われるNAND型フラッシュメモリーは引き続き需要が旺盛な状態が続いており、それが証拠にその大手サンディスク(SNDK)の株価は上昇を続けています。DRAMとフラッシュメモリーで何がどう違い、また同じところは何なのかなどをきちんと把握し、これからの新しい流れを総合的に捉えていかないとハイテク市場のこれからの流れは読めず、折角の投資機会を見逃してしまうことを証明しているかに思われます。じつに面白い状況になってきました。前述のように、今年はインテルが新しいプラットフォーム『Sandy Bridge』を投入することから、従来のMPUとエヌビディア(NVDA)のGPUなどが戦うことになりますが、新しい『Windows OS』の登場など、当面はハイテク関連の話題には事欠かなそうです。


(出典:Bloomberg.)

<ロイター・ジェフリーズCRB指数の2008年からの動きです。----------- 原油価格もやや落ち着き、インフレの芽がやや収まってくれることを期待したいものです。>

今週のポイント

■市場予想より好調な米国景気

 先週末7日に米労働省が発表した注目の2010年12月の米国雇用統計は非農業部門就業者数が季節調整済みで前月比10万3,000人増と市場予想の15万人を下回る結果となりましたが、一方失業率は9.7%の予想に対し9.4%と、09年5月以来の低水準となりました。市場の反応はまちまちではありましたが、少なくともこれを受けて市場が急落するということがなかったことは朗報です。事前に発表されていた民間のADPのデータによれば、2010年12月の非農業部門の雇用者数の増加は市場予想10万人程度のところが29万7,000人ということもあり、失業率の低下と合わせ、市場は「予想したより悪くない」というトーンにさらに変わってきていると思われます。

 これに先立って発表された11月の製造業受注(4日発表)やISM製造業景況指数(3日発表)も市場の予想を上回るものとなりましたが、5日に発表された非製造業景況感指数も57.1と、前月比2.1ポイント上昇で市場予想(55.7程度)を上回る4カ月連続のプラスとなりました。クリスマス商戦の結果が好調だったという話も伝わってきており、これらが株式市場の上昇を後押ししているものと思われます。

■今年は株式投資復権の年となる可能性大

 昨年の日本の株式市場は外国人投資家の動き、それもパッシブ運用の外国人投資家の動きに左右され続けるという展開が続きましたが、今年はやや違った動きなることが予想されます。国内の政治要因が大きくマイナス面で影響する可能性は否定できませんが、米国景気が市場の予想以上に回復基調にあることや、世界的な金融緩和姿勢がもたらした過剰流動性が向かえる先ということ考えると、やはりそれなりな時価総額を持って、流動性も確保されている資本市場がそれらのターゲットになります。

 さらに前述の通り、『CES2011』での盛り上がりを例示するまでもなく、ハイテク業界には明らかに大きな右肩上がりのビジネストレンドを確認することができ、資本市場の都合だけでなく、ファンダメンタルズの流れもそれをサポートする体制が整ってきたということが言えます。

 こうした流れに沿って注目される銘柄は、当然のことながら身近な企業であること多いというのが特徴です。それはすなわち『iPhone』や『iPad』のアップル(AAPL)がそうであるように、身近なハイテク機器のメーカーがわかりやすい存在だからです。またそれらによるITサービスも身近なものであるからです。何が話題で、何がブームで、何がトレンドなのか、こんなに捉えやすいビジネストレンドはありません。株式投資を複雑に考えることなく、また銘柄選びを難しく考えることなく、身近に起こっているビジネストレンドの中心にある企業をちょっと調べるだけで大きなヒントがたくさんあるかと思います。例えば前述の表の中の米国企業、半分以上は日本人の日常生活の中にもかなり溶け込んでいる企業だと思います。ちょっと突っ込んだ専門的な内容は、私のような立場の人間に任しておけばいいのです。きっと多くの解説がこの先出てくるはずですから。

 そして、前回のITバブルのメインエンジンとなったインターネットが世界にもたらした一番大きな変化は、全ての面において国境をなくし、物理的な距離を意識させなくなったということです。これは間違いなく株式投資の世界にも当てはまります。無理に日本株と外国株という仕切りをして考えること自体がすでにナンセンスであり、株式投資の世界だけが半鎖国状態を続けることはないと思います。また金余りの資金の向かえる先は流動性が高くないといけないということがもうひとつのヒントとなります。これらを総合して考えると、今年はおのずと米国市場と日本市場、そしてハイテク関連と言うのが大きなテーマの柱となることは明らかだと考えます。まずは今週、『CES2011」の内容を伝えるメディアの記事などに注目されることをお勧めします。

 今週も素晴らしい一週間になることを願っています。

「大島和隆からの手紙」からの投信アイデア

≪相場が上がって(ブル)も下がって(ベア)も収益のチャンス!≫

■日本の株式市場に対して概ね3倍の値動きを目指す

楽天日本株トリプル・ブル、楽天日本株トリプル・ベアの詳細はこちら

・日本の株式市場が上がると予想するなら

楽天日本株トリプル・ブル

日本の株価指数先物取引および日本の短期公社債を主要投資対象とする。日本の株価指数を対象とした先物取引を積極的に活用することで、日々の基準価額の値動きが日本の株式市場の値動きに対して概ね3倍程度となることを目指して運用を行う。

ファンドの詳細・注文はこちら

・日本の株式市場が下がると予想するなら

楽天日本株トリプル・ベア

日本の株価指数先物取引および日本の短期公社債を主要投資対象とする。日本の株価指数を対象とした先物取引を積極的に活用することで、日々の基準価額の値動きが日本の株式市場の値動きに対して概ね3倍程度反対となることを目指して運用を行う。

ファンドの詳細・注文はこちら

 

PROFILE

大島和隆

楽天投信投資顧問株式会社 CEO兼最高運用責任者
約20年間にわたり、欧米の企業も自ら訪問調査するファンドマネージャーとして活躍。日本企業を外から見た目線で評価する独自の判断にこだわってきた。
2008年6月、楽天証券経済研究所チーフストラテジストに就任。2009年4月から現職。運用サイドからの投資情報を発信。

※ 楽天投資塾!運用会社の“生の声”(楽天投信投資顧問公式ブログ)
http://plaza.rakuten.co.jp/toushintoushi/

免責事項

本メールマガジンに掲載している内容はお客様への情報提供を目的としたものであり、勧誘を目的としたものではありません。最終的な投資決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。また、掲載している内容は予告なしに変更または廃止される場合がございます。必ず楽天証券のホームページなどで最新の情報をご確認のうえ、各サービスをご利用くださいますよう、お願いいたします。

リスクと費用について

投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、申込手数料等の費用が異なり、多岐にわたりますので、詳細につきましては、それぞれの投資信託の「目論見書」「目論見書補完書面」を必ずご覧ください。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。

■投資信託の取引にかかるリスク

■投資信託の取引にかかる費用

■金融商品取引法に係る表示弊社の取扱商品等にご投資いただく際には、各商品等に所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等による損失を生じるおそれがあります。各商品等へのご投資にかかる手数料等およびリスクについては、楽天証券ホームページの「リスク説明」ページに記載の当該商品等の契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解ください。

商号等:楽天証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第195号、商品先物取引業者
加入協会:日本証券業協会、社団法人金融先物取引業協会、日本商品先物取引協会

■楽天証券ホームページ
http://www.rakuten-sec.co.jp/

東京都品川区東品川4-12-3 品川シーサイド楽天タワー
カスタマーサービスセンター(平日8時-18時)
お手続き専用ダイヤル
0120-885-687(通話料無料)
携帯・PHS・050で始まるIP電話からは03-6739-3322(通話料有料)
各種商品に関するお問い合わせダイヤル
0120-41-1004(通話料無料)
携帯・PHS・050で始まるIP電話からは03-6739-3333(通話料有料)

Copyright © 2011 Rakuten Securities, Inc. All rights reserved.