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楽天証券ニュース[マーケット情報] 発行:2010年5月31日 楽天証券株式会社

楽天証券

楽天投信投資顧問 CEO兼最高運用責任者が、1週間のマーケットに鋭く斬り込む! 大島和隆からの手紙

5月第5週

マーケット概況

株式 週末終値
(5/28終値)
前週末比
(5/21比)
日経平均 9,762.98 -21.56 -0.22%
NYダウ 10,136.63 -56.76 -0.56%
金利・為替 週末終値
(5/28終値)
前週末比
(5/21比)
長期金利 1.250% +0.015%
ドル/円 91.31  
ユーロ/円 111.77  

『iPad』がやってきた!

前週の総括

■信用リスクと戦争リスクで質への逃避

 本題に入る前に、まずこの1週間の振り返りから。主な市場の動きは上記の表の通りです。週末同士の比較ではわずかな下落で一週間が終わった形になりますが、27日の寄り付き直後には安値となる9,395.29円まで下落し市場の緊張感は弥が上にもかなり高まりました。背景にあったのは1.ギリシャ問題から拡大しつつあるユーロ不信がスペインの金融不安(スペインの中央銀行が同国の地方銀行カハスールを管理下に置いたこと)表面化で決定的になったこと、2.朝鮮半島情勢の緊張感が一気に高まったことでWar Riskが現実の問題となったことがグローバルな材料です。信用リスクと戦争リスクが同時に表面化し、信用リスクの当事者が第2の基軸通貨と言われていたユーロですから、マネーの流れは「Fly to Quality(質への逃避)」の中で明確に米国回帰(ドル回帰)をしたと言えます。というよりは、他へ流れようがなくなったということでしょうか。

■ドル急上昇に米国長期金利が急低下

 まずマネーの流れが質への逃避をしたことが明らかなのはドルの水準を見れば明らかです。27日午前7時前にはユーロは対ドルで1.2153まで売られユーロ導入時の水準1.18に近い水準にまで急落しました。リーマン・ショックから立ち直り、再び欧州景気も大丈夫かと言われつつあったドバイショックの直前の戻り高値は1.5145(2009年11月25日)、そして第2の基軸通貨を確信されドルから取って代わるとも言われたリーマン・ショック前(2008年7月15日)には1.6038もしていたのですから、この半年間で約20%の下落、高値からは約25%も下落したことになります。

 一方、米国10年国債の金利水準ですが、昨年のドバイショック前後の水準でもある3.2%をも下回り3.1578%と一年振りの低水準にまで下落しました。驚くには値しないと思われるかも知れませんが、リーマン・ショックで緊張した金融市場にFRB(米連邦準備理事会)がバルブを全開にして資金を供給したその時期と、やっと出口戦略が書けるようになって利上げの話もできるようになったかと思われて4%台も見え始めていた現時点でのそれでは同じような水準の意味が全然違ってくるわけです。

■日本の政局、連立瓦解

 日本国民には運悪く、鳩山政権には運良く、世界的な信用リスクと戦争リスクが大きくクローズアップされているため報道の質も量も減りがちですが、5月危機説と言われていた政権がいよいよ連立瓦解し、社民党が連立から離脱することになりそうです(原稿執筆時点の30日朝現在で確定していません)。首相決定に対して閣内で意思統一ができない以上は閣僚罷免が当然だと思いますし、また連立に参加している社民党の党首が罷免された以上、社民党が当然に連立離脱をして連立政権が瓦解するのも至極当然です。この先の国会審議・法案決議がどうなっていくのかは注目されるところですが、鳩山政権発足後8カ月後にして日本の政治も大きな節目を迎えました。このまま“選挙対策連立政権と揶揄されるような政権”が維持されるとしたら日本の政治はどうなっているんだという国民世論も高まるでしょうし、一方ここで与党の足並みが揃わないことは、そもそも基本的に日本の政治はどうなっているんだと問題になります。いずれにしても何らかの大鉈が振われない限り、外国人投資家からみた投資対象としての「日本株式会社」の魅力は相当低くなるものと思われます。

■ガルフの原油流出事故はやっと終息方向へ

 あまりに多くの出来事があるため、NY市場では度々話題になっているにも関わらず日本にはあまり伝わってこない話題のひとつにメキシコ湾における英BPの原油掘削リグでの事故があります。大量の原油が流出し、これを止めることができずにかれこれ一月以上の時間が経過しましたが、やっと原油流出防止に一定の目途が立ち終息に向かい始めたようです。現地27日のNY市場の株価は280ドル以上の上昇を見せましたが、その上昇のきっかけの一つには実はこの話題があります。NYダウ30銘柄中、時価総額上位の3位と8位はオイルメジャーの株なのですから、影響を受けて当たり前とも言えます。
(ただし、最新の報道によれば、英BPが行ったトップキルという方法は失敗に終わったようです。)

 
(出典:Bloomberg)

<米国10年国債の金利推移です。-----------------------4月の初めまでは米国の出口戦略を巡って議論が交わされ、市場は長期金利で4%を付けさせるまで安心していましたが、ギリシャ問題の拡大懸念で再び急低下、質への逃避が顕著です。>

今週のポイント

■『iPad』がやってきた

 28日、待望の『iPad』が手元に届きました。日本での予約受付開始となった10日の朝一番でインターネットのアップルストアに注文しておいたので、前日から並ぶようなことをしないでも宅配便で届くという、e-commerceの利便性をあらためて痛感しながら封を解いたのですが、それはやはり期待以上のものであったと言えます。

 感激するポイントは当然いくつかあるのですが、その大きなポイントの1つは「立ち上がりの早さ」です。「ネットを見たい」、「メールを確認したい」といった最もエッセンシャルなニーズに対して、瞬時に立ち上がって操作に入れるところはパソコンにはない。まさに携帯電話のそれです。にもかかわらず、スクリーンは大きく、タッチパネルで操作は直感的、そして画像も綺麗で音もでます。『iPod』機能があるので当然ですが、ヘッドホンを付ければ音声もクリアです。無線LANが繋がる環境にいる限り、それは正直便利この上ない代物です。この週末、家にいる時は常に何処にでも持って歩いています。

 『iPhone』を手に入れて以来、『You Tube』をよく観るようになっていましたが、『iPad』になってもっと利用するようになりそうです。そこですでにひとつ思っているこの先の流れとしては、『You Tube』の画質がもっと良くならないといけないということです。小さな『iPhone』のモニターで見ている限りは気にならなかった画質が、『iPad』のそれではかなり気になります。画質を上げるためにはいろんな面で対策が必要です。ネットワーク環境はその最たるものです。帯域幅が狭ければ、アップロードするにもダウンロードするにもストレスが溜まります。これは間違いなく改善されるべき方向性にあるものです。

■ワイヤレス環境が劇的に変わる

 当然ですが、『iPad』には有線LANのケーブルを繋いで使うことはありません。つまり常にワイヤレスです。機種によっては外出時には3Gを使うこともできるようになっていますが、『iPhone3GS』で体験している限りにおいて、やはり携帯の帯域幅では充分ではありません。『iPad』のそれにはますますその思いは強いはずです。私は故に端から3G対応では無いモデルを選びました。

 報道や宣伝で目にする機会が増えてきましたが、やはりそのひとつのソリューションがモバイル・ルーターの類いだと思います。使える公衆無線LANや下り速度で最大7.2Mbpsが狙える「HSPA」(High Speed Packet Access)を自動的に切り替えて使える持ち運べるタイプの無線LANルーターですが、こうしたものの需要はここから一気に高まるのではないでしょうか? ただ、おそらくHSPAの速度には直ぐに不満が高まると思いますが……。つまり次世代通信への投資が起こるべくして起こるということです。

 もし、個人がこうした小型の無線LANルーターを持ち歩くようになると、今度は常にPSPやニンテンドーDSのような機器や当然ネットPCも常にインターネットにアクセスできるようになります。身の回りにLANがあるのですから、その利用方法も変わるでしょう。これは大きな変化が起こる予感です。

■電子書籍の可能性

 電子書籍の可能性もリアルに実感することができます。坂本竜馬ブームの最中なのでミーハーとのご叱責を受けそうですが、現在、通勤帰りに「竜馬がゆく」を愛読しています。今はその7冊目を読んでいますが、分冊の切れ目で次巻が鞄の中に入っていないで地団駄踏んだことが何度もあります。電子書籍ならばネットで買えるのでその場でダウンロード、本屋さんに急ぐ必要はありません。そして『iPad』などの内部メモリに貯めておけば読みたい時に読みたいものが読め、嵩張らないし、重さも変わりません。そして何より、ページをめくるように操作できるし、字を大きくして目が疲れている時でも読むことができます。

 これは新聞のアプリ(産経新聞が対応しています)ですでに試してみましたが、『iPad』の画面サイズがあれば本当に新聞を読むように読めます。文字の大きさを自由に変えられるというのはとても便利です。楽天ブックスの『雑誌チラよみ』というアプリを入れてみましたが、雑誌の中身をちょっと“立ち読み”することができ、これもまた実際に購入するかどうかの判断にとても便利です。もっと契約雑誌数が増えることを願うばかりです。

■マクロは悪いが、ミクロならチャンス

 悪い材料は耳がタコになりつつあるギリシャ・ユーロ問題にはじまって枚挙にいとまがありません。その一方で、わずか2日間の利用実感でこんなにいろいろな空想が拡がる『iPad』のような流れが着実に始まっているのも事実です。ここはじっくりと投資対象を探していきましょう。きっとこの先に大きな投資収益が期待できるはずです。

 今週も素晴らしい一週間になることを願っています。

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PROFILE

大島和隆

楽天投信投資顧問株式会社 CEO兼最高運用責任者
約20年間にわたり、欧米の企業も自ら訪問調査するファンドマネージャーとして活躍。日本企業を外から見た目線で評価する独自の判断にこだわってきた。
2008年6月、楽天証券経済研究所チーフストラテジストに就任。2009年4月から現職。運用サイドからの投資情報を発信。

※ 楽天投資塾!運用会社の“生の声”(楽天投信投資顧問公式ブログ)
http://plaza.rakuten.co.jp/toushintoushi/

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