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楽天証券ニュース[マーケット情報] 発行:2010年4月19日 楽天証券株式会社

楽天証券

楽天投信投資顧問 CEO兼最高運用責任者が、1週間のマーケットに鋭く斬り込む! 大島和隆からの手紙

4月第3週

マーケット概況

株式 週末終値
(4/16終値)
前週末比
(4/9比)
日経平均 11,102.18 -102.16 -0.91%
NYダウ 11,018.66 +21.31 +0.19%
金利・為替 週末終値
(4/16終値)
前週末比
(4/9比)
長期金利 1.340% -0.045%
ドル/円 92.18  
ユーロ/円 124.46  

ゴールデン・ウィーク前にひと稼ぎできそうな印象

前週の総括

■インテル好決算よりギリシャ問題

 先週の主な市場の動きは上記の表の通りです。先週11日、EU諸国とIMF(国際通貨基金)が協調してギリシャに450億ユーロの支援をすることを決定したとの報道を受けてギリシャ問題はいったん終了と言うトーンが起こり、週初こそユーロも株価も反転したものの、結局はこのメルマガでもお伝えしている通り、ギリシャ問題は簡単に終わらないというトーンに緩々と逆戻りし、これら円高要因が再び株価の上昇を抑えた一週間となりました。

 一方、現地時間13日のNY市場終了後にはインテル(INTC)が市場予想を第1四半期の売上、第2四半期のガイダンスともに市場予想を大幅に上回る素晴らしい決算を発表したため、翌14日の東京市場でも関連ハイテク銘柄が大きく値を飛ばして日経平均株価が100円以上値上がりしてスタートするような展開を見せましたが、これまた買い物が続かずに市場はダラダラと値を消していく展開となりました。

 市場には連騰してきた日本市場のテクニカルな過熱感が燻っているのは事実ですが、上値を抑えているもう一つの要因としては、中国人民元の切り上げが起こると円もつられて円高になるという思いがあり、これが株価上昇の上値を抑えていると言ってもおかしくありません。確かにドルにペグしている人民元が切り上げになると、ドルが売られる形になるので目先短期的には為替市場のテクニカルな要因で円も連れ高するということは充分考えられますが、「人民元高=円高」という式はあり得ず、これは問題にならないというのが基本的な私の考え方です。関係ないですから。

■インテルがまたまた好決算!

 インテルが発表した第1四半期実績と第2四半期のガイダンスは下記の通りです。

 ご覧いただける通り、第1四半期の売上高は上方修正されたガイダンスをも上回り、市場のコンセンサスを大きく上回った内容で着地しています。続く第2四半期のガイダンスについても、市場コンセンサスをガイダンスの下限でも上回るという素晴らしい内容となっています。あわせて、第1四半期の粗利率もガイダンスに対して上振れとなっており、これはプロダクトミックスの改善が寄与しているという状況です。もう少し詳しい内容については今週末配信される予定の楽天マネーサービスの方でご案内する予定ですが、重要なポイントは、私の記憶している限りにおいて、最低でもこの8四半期について市場コンセンサスが実際の決算を下回る流れが続いているということです。つまり市場は常にアンダー・エスティメート(実力を侮っている)状態が続いているということです。言い換えるならば、今実際に世の中で起こっている時代の流れの変化を捉えきれていないということです。同様な事態が続いたのが、かのITバブルの前夜だったというのも私の記憶です。

■トヨタにまたまた難癖がつく

 『カムリ』や『プリウス』のリコール問題で峠を越えたのかと思われたトヨタ・バッシングが再び始まりました。今度は『レクサスGX460』です。米消費者団体コンシューマーズ・ユニオンが発行するレポートが2010年モデルの『GX460』を購入しないように推奨したことがことの発端ですが、危機管理に慎重になっているトヨタ自動車(7203)としては即座に同車の販売停止を決定してテストに入ることにしています。同車は中近東やロシアなどで大人気を博しているトヨタの大型4輪駆動車である『ランドクルーザー』の『レクサス仕様車』で、その走破能力などには極めて高い定評のある車ですが、今回はそのESC(横滑り防止装置)の作動に不具合があり、テストコースで同誌が実験したところ車体が横向きになるまで効かなかったというのが問題になっています。また16日にはミニバン『シエナ(日本国内では販売されていませんが、米国ではNYのイエロー・キャブにも使われるほど人気のミニバンです)』の自主回収なども発表しています。

 『レクサスGX460』の問題については、現時点ではその信憑性については情報を掴めていませんが、印象としては「テストコースで横向きになるまで……」という件には何やら胡散臭さを感じてしまうのが正直な感想です。ESCが介入する(作動する)状態というのは、プリウスのブレーキ問題の時のABS(アンチロック・ブレーキ・システム)作動時と同様に通常走行の状態で起こる話ではなく、低μ路(摩擦係数の低い滑りやすい路面)などでのオーバー・スピードでのコーナリング時などにタイヤが路面をグリップし切れなくなると4輪を個別にブレーキングしてグリップを回復させるという状態です。これは、ABSのようにほぼ全車種が搭載しているシステムではなく、現状ではまだ中高級車の装備品です。

 もうひとつ言えることは、トヨタ・バッシングが始まるタイミングがどうも毎度普天間問題がクローズアップされるタイミングと重なるように思うのは私の思い過ごしかということです。もしそうだとしたら、民間企業がスケープゴートにされないように、早く政治に決着をつけて貰いたいものです。

 
(出典:Bloomberg)

<チャートはギリシャ国債3年債の利回り推移です。-------- いったんは6%台にまで低下する場面が直近見られましたが、再び上昇し週末終値は7.208%とかなり高くなっています。>

今週のポイント

■ギリシャ問題からドイツの離脱へ

 週末の為替市場で話題になった話はモルガン・スタンレー(MS)が発表した「ギリシャの救済問題を巡ってドイツがユーロ圏を離脱することを懸念している」という話で、これを英紙が報道したことで、かなり真実味を帯びてきています。ユーロ圏財務相によるギリシャ救済の条件の合意を受け、先週はユーロが買い戻される場面がありましたが、借り手側ギリシャと主たる貸し手側となるドイツ世論との間には今なお大きな隔たりがあり、この解決策の実効性には当初からはてなマークがついていましたが、ドイツがユーロ圏を離脱するということになると、ユーロと言う通貨の信頼性は極端に落ちることになり、通貨統合と言う世紀の大実験は大きな試練を迎えつつある気がします。

 流れとしてはドルに続く第2の基軸通貨候補と言われて来たユーロが信認を失う危機にあるということで、相対的にドルがやはり強くなるというのがひとつのシナリオです。現時点においては、日本のGDP(国内総生産)に対する公的債務比率が200%に近く、世界で群を抜いて厳しい状況(財政危機からドル暴落説が言われる米国は70−80%です)にあるという論調はまだ一部でしか聞かれていませんので、この状態が続いてくれるならば、円も相対的には強くなるとも言えます。ただ今回の問題はギリシャのソブリンリスクから始まっており、ソブリンリスク探しという流れになると、日本に対する風向きもいつ変わるかは解りません。

■日米ともに決算発表が本格化します

 今週からは米国の決算発表本格化に続いて、日本企業の決算発表も徐々に始まります。現時点、日経新聞で確認出来る日経平均株価採用銘柄のPER(株価収益率)は33倍台ですが、2011年度3月期決算ベースのPERは、はるかにこれより低くなることが見込まれます。現時点においてはテクニカルな過熱感から高値警戒感が強い状況ではありますが、徐々にバリュエーションの低下を見ることでこれらも薄れていくものと思われます。つまりファンダメンタルズは良くなっていくはずです。

 ただ一方で、外部要因に不透明要素が多く、また今年はゴールデン・ウィークが長くなるカレンダーなので、動きは悪くなることも予想されます。楽観論を交えつつ、慎重な対応をしていきたい局面です。

 今週も素晴らしい一週間になることを願っています。

「大島和隆からの手紙」からの投信アイデア

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PROFILE

大島和隆

楽天投信投資顧問株式会社 CEO兼最高運用責任者
約20年間にわたり、欧米の企業も自ら訪問調査するファンドマネージャーとして活躍。日本企業を外から見た目線で評価する独自の判断にこだわってきた。
2008年6月、楽天証券経済研究所チーフストラテジストに就任。2009年4月から現職。運用サイドからの投資情報を発信。

※ 楽天投資塾!運用会社の“生の声”(楽天投信投資顧問公式ブログ)
http://plaza.rakuten.co.jp/toushintoushi/

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