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楽天証券ニュース[マーケット情報] 発行:2010年1月18日 楽天証券株式会社

楽天証券

楽天投信投資顧問 CEO兼最高運用責任者が、1週間のマーケットに鋭く斬り込む! 大島和隆からの手紙

1月第3週

マーケット概況

株式 週末終値
(1/15終値)
前週末比
(1/8比)
日経平均 10,982.10 +183.78 +1.70%
NYダウ 10,609.65 -8.54 -0.08%
金利・為替 週末終値
(1/15終値)
前週末比
(1/8比)
長期金利 1.320% -0.040%
ドル/円 90.78  
ユーロ/円 130.61  

上値は重くなっても株式投資が楽しくなるのが見えてきた

前週の総括

■11,000円が見えてきた

 先週の主な市場の動きは上記の表の通りです。日経平均株価は年初来で+4.13%の上昇となっており、とうぜん昨年来の高値を更新中ですが、じつは年初来ではTOPIXの上昇率の方が+6.48%と日経平均株価のそれを上回っており、市場全体も温まってきたというのが注目です。主たるアジア太平洋地域の株価指数で年初来の上昇率が4%に達しているのはジャカルタ総合指数(+4.45%)、カラチKSE100指数(+5.71%)そしてスリランカ・コロンボ全株指数(+5.25%)の3つだけで、逆に香港ハンセン指数はマイナス1.00%、中国上海総合指数もマイナス1.62%とプラスにさえなっていません。日本株だけが出遅れた昨年とは対照的な状況で、これらを評価して出遅れている日本株へ外国人投資家の資金が大幅買い越しとなって流入してきているというのも確かなようです。週末の終値はわずかに11,000円には届かなかったものの、台替わりも見えるところまで上昇してきました。

■牽引役はソフトバンク、ホンダ、KDDI、ソニー、トヨタ

 先週の日経平均株価の上昇に寄与した銘柄をスクリーニングしてみると、ここしばらくの市場動向とは内容が変わりつつあることを垣間みることが出来ます。最も指数上昇に寄与した銘柄から1.ソフトバンク(9984)、2.ホンダ(7267)、3.KDDI(9433)、4.ソニー(6758)、5.トヨタ自動車(7203)、6.太陽誘電(6976)、7.デンソー(6902)、8.ファナック(6954)、9.TDK(6762)、10.パナソニック(6752)となり、この上位10銘柄で指数上昇の3分の2を説明してしまいます。まず上昇銘柄のリストを見て状況が変わりつつあるなという印象を抱かせるのがソニーとトヨタが上位に居ることです。特にソニーは昨年鳴かず飛ばず、特段足元で好材料があったという気もしませんが、外国人投資家が日本株に参戦する場合は必ず組入銘柄として取り上げられますから。そして最も足を引っ張ったのが昨年の指数上昇の功労者ファーストリテイリング(ユニクロ、9983)だということです。

 もちろん、直近の為替の動きが大きく影響していることは事実だと思いますが、これらを見ても外国人投資家の動きを嗅ぎ取ることができます。東証2株指数やJASDAQ平均が年初来上昇率1%台に留まるところ、TOPIX CORE 30 INDEXの年初来上昇率がなんと+8.27%にもなっていることでもそれを確かめることができます。

■インテルが好調な決算を発表!

 先週の市場関係のニュースの中で、今後の投資戦略に最も大きなインプリケーションを与えるのは「インテル(INTC)の決算」だと思います。市場予想を大きく上回る内容を発表しています。ご承知のように、インテルといえば、パソコンやサーバーの頭脳であるMPU(CPUという言い方をすることもありますが、現在ではほぼ同義となりました)の世界最大のメーカーで、その市場シェアから言っても「インテルの業績=ハイテク業界の業況」と言っても過言でない会社です。今ではMacのパソコンでさえ、インテル製MPUを使っているのですから。

 インテルの決算内容発表を受けて、同業界、同セクターに対する投資判断についてほとんどすべての証券会社からフラッシュ・レポートを含めて多くのコメントが発せられましたが、大別すると市場予想を大きく上回る決算内容を高く評価してさらにアクセルを踏み込む形のコメントを発しているところと、逆にこれでいったんは出尽くしというトーンでレーティングを含めて引き下げ気味な見通しのところとの二つになります。決算発表翌日の同社株価はJPモルガン(JPM)の期待外れな決算に引きずられた面もあり、前日の上昇分をほぼ帳消しするような下げとなっていますが、見方としては前者のスタンスを取るべきだと思っています。

 何故なら、同社の決算及び同業界に対する評価については、2008年の同社新商品であるAtom、すなわちネットブックPCに使われる日本語で書くと「廉価版のMPU」の登場とそれが決算に影響を与え始めた2008年夏のガイダンス以降、常に良い方に市場は裏切られてきているからです。つまり常に市場はそこを過小評価してきているということです。極めて単純に考えて、インテルが作っているのはコンピューターの心臓部のMPUとして使われるシリコン・ウェハーから切り出した小さなチップです。それを利用して、多くのパーツがアッセンブルされて、Windowsパソコンであったり、Macであったり、あるいはネットブックPCなどが出来ているのです。

 また前回も「(1)パソコン関連、(2)ワイヤレス関連、(3)スマートフォン関連、そしてCその他周辺技術と、質と量が重なってきているタイミングはそうそう過去にもなかったように思います。」と書きましたが、大事なポイントはまさにここです。(1)だけのビジネストレンドや技術動向で捉えるのではなく、全てで捉えるということです。そしてすでに(1)だけでさえ過小評価されているのですが、過小評価されている部分は(2)や(3)と実に極めて密接にかかわり合います。そしてこうしたハードウェアだけの話に留まらず、これからはそこにコンテンツやサービスの話が横断的に関わってきます。この辺の流れをどう捉えるかで今年以降の投資収益については大きな違いが出てくるように思います。

 
(出典:Bloomberg)

<チャートはインテル株の過去二年間の日足です。----------リーマン・ショックの影響をもちろん受けていますが、すでに2008年夏の頃の水準までは戻してきています。その時価総額規模からいっても決して身軽な銘柄ではありませんが、ハイテク株投資の為には目が離せない銘柄の筆頭です。>

今週のポイント

■国政の状況を織り込むかどうか

 鳩山首相の献金問題が決着を見ないままに、新たに民主党小沢幹事長の周りで西松問題に続いてさらに新たな逮捕者が出るという前代未聞の状況になってきました。現役首相と、それを支える最大与党の幹事長が揃って「政治と金」の問題をクリアにできない状況で政局運営に当たるという異例の事態に、昨年12月政治問題には目を瞑ってきたかに見える市場がどう反応するのかというのが今週の大きな注目ポイントだと思います。

 18日から始まる通常国会の中で、国会審議が遅れ、2010年度予算決議の動向に支障をきたし始めるようだと、本来はマクロ経済的には由々しき問題になるはずです。従って、政治問題や外交問題はあたかも無視することを決め込んだかのように上昇してきた市場が今後どう反応するのかは予断を許さなくなってきました。週末のシカゴの日経平均先物の終値は大証のそれよりも80円安い10,870円で終わっています。これが米国市場の下落を受けただけによるものなのか、それとも前述の状況を危惧してのものなのか見極めていきたいと思います。

■円高に振れています

 もうひとつ、先週末NY市場での為替の終値が対ドルでも、対ユーロでも共に円高に振れていることも気になります。JPモルガンの決算内容がリテール部門を中心に赤字だったこと、および1月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数が予想を下回ったことを受けて、投資家が期待している個人消費の伸びを伴う米国の景気回復速度がまだそんなに早くないという印象から、米国10年国債の利回りが低下(債券は買われた)して3.6744%と12月中旬の水準に下がったことが背景にあります。政局の動向などを無視して円安を頼りに上昇してきた市場だけに、今週の動きには為替動向という不透明要素も加わったことになります。

■結論:上値は重くなるとみるのが普通の考え

 
(出典:Bloomberg)

 チャートを見れば明らかですが、昨年の高値をも更新し続けたことで、現状の水準は2008年のリーマン・ショックの急落の過程、すなわちある「真空地帯」のような水準にいることになり、2008年9月18日の安値11,301円の手前まではスルスルと抵抗なく上昇する可能性を否定はできませんが、一方で環境面を見た場合には11,000円の台替わりを前に足踏みをするという見方が普通な気がします。

 ただドスンと下がるような状況でもなく、まずは当面、例えば「小沢幹事長と検察当局の対決」やあるいは為替の動向などの様子を窺う展開が続くのではないかと思います。ただ、前段で申し上げた通り、ハイテク関連を取り巻く環境は市場が織り込んでいると思っている以上に大きく前進しており、この辺りに突破口の糸口があるような気がしています。

 今週も素晴らしい一週間になることを願っています。

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東京証券取引所第一部に上場されている株式に投資を行う。株式組入比率は原則として高位を保つ。TOPIXの動きに連動する投資成果を目標として運用を行う。

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PROFILE

大島和隆

楽天投信投資顧問株式会社 CEO兼最高運用責任者
約20年間にわたり、欧米の企業も自ら訪問調査するファンドマネージャーとして活躍。日本企業を外から見た目線で評価する独自の判断にこだわってきた。
2008年6月、楽天証券経済研究所チーフストラテジストに就任。2009年4月から現職。運用サイドからの投資情報を発信。

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