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楽天証券ニュース[マーケット情報] 発行:2010年1月12日 楽天証券株式会社

楽天証券

楽天投信投資顧問 CEO兼最高運用責任者が、1週間のマーケットに鋭く斬り込む! 大島和隆からの手紙

1月第2週

マーケット概況

株式 週末終値
(1/8終値)
前週末比
(12/30比)
日経平均 10,798.32 +251.88 +2.39%
NYダウ 10,618.19 +190.14 +1.82%
金利・為替 週末終値
(1/8終値)
前週末比
(12/30比)
長期金利 1.360% +0.075%
ドル/円 92.65  
ユーロ/円 133.52  

※米国市場は2009年12月31日との比較

新春相場は順調な滑り出し

前週の総括

■予想以上に強い展開で始まった

 先週の主な市場の動きは上記の表の通りです。日経平均株価は年初来で+2.39%の上昇となる251.88円の上昇で10,798.32円となり、昨年高値を超える展開となってきました。三井住友フィナンシャルグループ(8316)の8,000億円規模の増資の発表は、これらメガバンクの増資に関わる需給悪化の材料出尽くしとでも市場は受け止めたのか、同行の株価は2,600円前後の水準から2,900円前後の水準まで1割を超える上昇を見せ、これらを受けて東証TOPIXの年初来上昇率は日経平均株価のそれを大きく上回る+3.71%となりました。

 同時に、大発会こそ出来高は低調を極めたものの、1月限オプションの清算日となる8日(売買代金は特別に膨らむ)以外の3日間も連続して売買代金で1兆4,000億円を上回る展開となりました。ただ一方これらの動きに反して、東証マザーズの動きは低調で、年初来の変化率はなんとマイナス2.47%。これはサイバーエージェント(4751)、ミクシィ(2121)、グリー(3632)といった銘柄の下落が大きく響いており、投資家のアペタイトが変わった兆しの表れかもしれないとも思っています。物色の方向性が変わるのかもしれません。

■米国市場も引き続き好調

 年初来の動きでいえば米国市場も引き続き好調です。NYダウが+1.82%、S&P500種は+2.68%、そしてナスダック総合指数は+2.12%と昨年末の勢いを失わないままに上昇基調にあります。一方、アジア株に目を向けると、香港ハンセン市場は+1.94%と好調ながらも、中国上海総合指数はマイナス2.48%、同シンセン総合指数もマイナス1.12%とやや元気がない感じです。インドSENSEX指数はわずかに+0.43%です。とはいえ、ブラジルボべスパ指数は+2.44%と上昇していますので、大きな流れが変わったという感じは今のところしていません。

■米国雇用統計は波乱要因にはならず

 米国の雇用統計が8日に発表されましたが、非農業部門の雇用者数は市場予想を大幅に下回る前月比85,000人の減少となりました。市場予想は前月比横ばい程度(速報値11,000人減少、改定値4,000人増加)が中央値でしたから、これだけみると予想よりも悪い結果となり市場はネガティブ・リアクションを起こしてもいいとも思われますが、失業率が市場予想通りの10.0%となり、市場はある意味で安堵したという感じかもしれません。

 ちょっと解説が必要だと思いますが、市場は前月の米国雇用統計の急激な回復を見た段階で米国景気の回復速度が“速い”ことを予想し始めました。つまり、これにより当局の金融緩和姿勢の解除が早まるとか、長期金利の上昇が起こるなどといったことを懸念していたのですが、これらをうけて12月初め3.2%台であった米国10年債利回りなども12月下旬には3.8%代へ上昇、そして米国金利上昇からドル買い(買い戻し?)などの流れを誘発してきていました。

 しかし、今回の米国の雇用統計は“改善していない”というよりは、市場が急速だと懸念するほどの勢いでは回復していないということで安堵した、という感じだと思います。雇用統計発表を受けた米国株式市場は3指数ともにわずかに上昇しています。長期金利も10年債利回りで3.77%台まで下落する(債券が買われる)場面もありました。本稿執筆時点(1月11日日本時間午前10時半)に取引されている米国債の同利回りは3.8043%となっており、市場は落ち着いた感じで進んでいると思われます。

 
(出典:Bloomberg)

<チャートは米国債10年物の利回り推移です。----------注目は昨年6月の高値3.9455%まで上昇しないで横這ってくれたということです。このまま一気に上昇してしまうと、違う問題が発生したと思われます。>

 
(作成:楽天投信投資顧問)

<2枚目のチャートは米国債金利推移と日経平均株価の推移です。ご覧頂けるように、日本の株価は明らかにこの15年間、米国債金利に連動していることが分かります。今回、短期的に米国雇用統計を受けて米国債金利が上昇しなかったことは良しとしますが、長期的には緩やかに上がってくれることを期待します。>

今週のポイント

■ハイテク及び半導体関連に好材料が続く

 一昨日(1月10日)、横浜で行われました楽天証券の新春講演会でも「2010年ハイテク株投資がますます面白くなりそうだ」とお話しさせていただいたのですが、その内容を後押ししてくれるかのようにこのところ半導体関連についての好材料がメディアでもよく取り上げられています。背景として説明できる右肩上がりと思われるビジネス・トレンドはいくつもあるのですが、これだけ多くの材料、すなわち(1)パソコン関連、(2)ワイヤレス関連、(3)スマートフォン関連、そして(4)その他周辺技術と、質と量が重なってきているタイミングはそうそう過去にもなかったように思います。

■「CES2010」開催、製品発表件数は歴代最大

 毎年恒例の全米家電協会(CEA)が主催する世界最大規模のコンシューマエレクトロニクス展示会「2010 International CES」が米国ラスベガスで現地時間の1月7日(日本時間だと1月8日)から現地時間1月10日まで開催されました。このイベントはその年のハイテク業界のトレンドや勢いを見ていく上で非常に重要なイベントなのですが、今年については下記のようなポイントが挙げられます。
・2010年のCESは出展社数がおよそ2,500社
・来場者は11万人以上を見込む
・各社の製品発表件数は、歴代最大
・「CES2010」の主催団体であるCEAのPresident and CEO、 Gary Shapiro氏 いわく、今年はこれまでにない「もっともエキサイトなCESになる」

 注目材料はいくつもありますが、事前のプレス・カンファレンスの中で、テレビを「インターネットに繋いでいない人がまだ65%もいる」という点が指摘されていたことに非常に興味を持っています。「皆さんはテレビをインターネットに繋いでいますか?」という質問を楽天証券の新春講演会にご参加の皆さんにもお聞きしてみましたが、ネット証券をご利用いただいている先進的な方々でさえ、ざっと見て約4割程度の方とお見受けしましたので、確かにこれは面白い流れを作るだろうと思います。2011年7月のアナログ放送終了に向けて、国内でも勢いは加速していくものと思われます。その結果、違う利用形態が拡がり始めるはずです。

■「iPhone」が「iTunes」に繋がらない!

 通信料金割引プランの恩恵を最大限に享受することを目的に、過去2年ぐらいの間に私の周りの一族郎党については、携帯電話のみならず、固定回線までKDDIと「au」にしてしまっている関係もあり、「iPod」は最新型の超小型のシャッフルやビデオ付き「iPod nano」まで含めてすべて手に入れている私ですが、ソフトバンクの「iPhone」購入については逡巡しておりました。

 しかし、スマートフォンのビジネス・トレンドも題材として講演会で取り上げる以上は、その代表的なモデルを所有していないままに居ることはおかしいと考え、正月早々ついに「iPhone 3GS」の16Gモデルを手に入れました(じつは大変嬉しかったのですが…)。しかし、そこで大問題が発生。通常使っている「iTunes」と「iPhone」が同期しないのです。パソコンを自作するハイテク・マニアとしては、何とも許せないこの事態に、なんとか自力解決と手を尽くしてみたのですが、やはり駄目。ついに、テクニカル・サポートへと問い合わせることになったのですが、購入した家電量販店→ソフトバンク→アップル→ASUS(PCのマザーボードのメーカー)と電話がたらいまわしになった挙句に判明した事実は酷い話でした。

 「iPhone3GS + Windows 7 + Intel P55 Expressチップセット」という組み合わせの時、「iTunes」には繋がらない技術的なトラブルが生じており、関係各社その事実を把握しているということなのです。責任はアップル、マイクロソフト、インテルのどこにあるのか、お互いにまだ責任を擦り合っている感じでもありますが、いずれにしても全てこれからの主力となる製品であり技術であるため、各メーカーの早急な対応が望まれます。ひとまず私の「iPhone」はノートPCに繋いでこの組み合わせを回避していますが……、不便でなりません。パソコンがこのスペックで1台しかない場合は万事休すのはずです。

■スタートダッシュの好調さを維持して欲しい

 いずれにしても、2010年新春相場は順調な滑り出しとなりました。懸念材料や悪材料を指摘すれば多々ありますが、まず市場は気分をリフレッシュしてポジティブ・シンキングでスタートしたと思われます。また国内問題にはいろいろと考えないとならないことがありますが、グローバルにみるとハイテクのみならず好材料がたくさん出始めていることも事実です。幸か不幸か、日本の株価は為替や国内景気よりも米国景気(米国10年債利回り)に連動しやすいことはチャートが示すとおりです。

 このまま一直線の上昇は期待するものではありませんが、良い1年となることを予感させるような感じで第1週は終わりました。是非このまま続いて欲しいものです。

「大島和隆からの手紙」からの投信アイデア

≪日経平均株価は年初来で+2.39%の上昇!≫

■2010年の日本株へ期待し、日経平均株価連動を目指すファンドに投資!

MHAM株式インデックスファンド225
MHAM株式インデックスファンド225

日本の金融商品取引所に上場されている株式に投資する。日経平均株価採用されている銘柄の中から200-225銘柄に、原則として等株数投資を行う。

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PROFILE

大島和隆

楽天投信投資顧問株式会社 CEO兼最高運用責任者
約20年間にわたり、欧米の企業も自ら訪問調査するファンドマネージャーとして活躍。日本企業を外から見た目線で評価する独自の判断にこだわってきた。
2008年6月、楽天証券経済研究所チーフストラテジストに就任。2009年4月から現職。運用サイドからの投資情報を発信。

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