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楽天証券ニュース[マーケット情報] 発行:2010年1月4日 楽天証券株式会社

楽天証券

楽天投信投資顧問 CEO兼最高運用責任者が、1週間のマーケットに鋭く斬り込む! 大島和隆からの手紙

1月第1週

マーケット概況

株式 週末終値
(12/30終値)
前週末比
(12/25比)
日経平均 10,546.44 +51.73 +0.49%
NYダウ 10,428.05 -92.05 -0.87%
金利・為替 週末終値
(12/30終値)
前週末比
(12/25比)
長期金利 1.285% +0.010%
ドル/円 93.02  
ユーロ/円 133.36  

※米国市場は2009年12月31日と12月24日との比較
※為替は2010年1月1日付

2010年に期待する!

前週の総括

■盛り上がらないままに終わった大納会

 先週(2009年最終週)の主な市場の動きは上記の表の通りです。2009年から大納会、2010年からは大発会が前場だけの取引ではなく前後場終日の取引に変わりましたが、年を通じた市場動向を映し、少なくとも大発会はそれがゆえに活況を呈することもなく、薄商いの中、静かに2009年の市場は幕を閉じました。かつて年末28日に大納会が行われ、前場が終了すると同時に市場関係者全員による手締めが行われた時代を回顧するのもおかしな話ですが、少なくともだらだら閑散な取引のままいつのまにか終わる今のそれより、明らかにけじめがあったと感じてしまうのは私だけでしょうか? そして6日間の休みの中で気分をリフレッシュし、頭を切り替えて新春相場と向き合うことができる方が、今の経済環境下なら余計に適していると思います。1日開けていても、売買代金は1兆円以下なのですから。逆に言うと、それくらい材料少なく最終週は終わりました。

■年足陰線にまつわるジンクスは消せた一年

 ただ年を通じて振り返ってみると、年の初め頃には1990年以降続く「一度年足が陰線に変わると、それは3本連続する」という3回続いたジンクス(1990年〜1992年、1996年〜1998年、2000年〜2002年)が今回もあてはまるのか(2007年と2008年は年足陰線)という議論がありましたが、ボディは小さいながらも2009年の年足は陽線となり、ジンクスは4回続かずに済みました。2009年初値は8991.21円でしたから日経平均株価としては約1,500円のボディ(17.30%)を持つ陽線です。

 しかし、市場全体を表す東証TOPIXで見てみると初値は871.01ptsで終値が907.59ptsと上昇幅は小さく、そのボディは僅かに36.58pts(4.20%)、12月初旬までは年足陰線も止むなしとも思える展開が続いていました。実は日経平均株価はそれなりに陽線を残した感じですが、TOPIXのみならず、東証CORE30などを含むその他の株価指数も辛うじて陽線となったという感じです。

■NT倍率はほぼ高値圏で終了

 前述のような状況が続いた結果ですので、とうぜん、日経平均株価をTOPIXで割って求めるNT倍率は年初来高値圏となる11.6203倍(最高値は12月28日の11.6249倍)で一年を終えました。日経平均株価は指数寄与度の高い上位20銘柄程度でその指数の動きの大半を示していますので、そうした銘柄群だけが買われて何とか帳尻を合わせて終わった2009年相場ということも言えなくもありません。

■米国長期金利上昇による円安の恩恵が大きい

 11月30日を底に反転した米国長期金利に呼応して動き始めたドル高基調により、11月末には瞬間的に84円台を見たドル円為替も12月末の終値は93円台です。およそ1割程度ごく短期間に円安に動いた事になります。多くの輸出関連企業が収益予想の前提に使っている下期の為替前提は85円から90円の間ですから、これを映して輸出関連企業の株価上昇、つまり日経平均株価に寄与度の高い一部の銘柄が上昇したという解釈ができます。これを円安という構図が故の株高ということも言えますが、背景にあるのは米国景気回復期待による長期金利の上昇を映していると捉える方が正しい見方だと思います。上昇している多くの銘柄が、結局は米国景気に依存する部分の多い銘柄群であり、結局為替はその結果への理屈付けでしかないというのが過去の相関性を見ても明らかになります。

 
(出典:Bloomberg)

<チャートは日経平均株価の年足チャートです。このチャートを見る時いつも感じてしまうのは、(1)良い時代は少なかったな(88年に株式市場デビューですから)ということと、(2)やっぱり日本株は安すぎるよなということです。今現在の株価が20,000円程度だとしても、チャート的には全然おかしくないですから。>

今週のポイント

■謹賀新年

 皆さんは今年どんなお正月を過ごされたのでしょうか? 今年の初詣では例年に比べてお賽銭に含まれる1万円札の量が少なかったとニュースが流れていました。実際私も元日に某神社にかれこれ20年以上、毎年欠かさずに参拝に行っていますが、参拝者の列がいつになく少なく空いていると感じました。昨年まではそれでも「苦しい時の神頼み」といった感じで、人出だけはまだあったような気もするのですが、それさえもなくなってきたと感じます。お賽銭だけでなく、そこまでの交通費などを考えると、結構な出費になることは事実ですから。

 とはいえ、わずか数日間ですが仕事を忘れ、家族と他愛のない会話をしながら過ごした休日は気分をリフレッシュさせ「今年も頑張るぞ」という気分にさせてくれます。ただ数日、日常と違う朝を迎え、ただ新しいカレンダーの最初の1頁目をめくり、そして年賀状に目を通しただけなのに、「新年」、「新春」という言葉に相当気持が晴れやかになるのですから人の気持ちというものは不思議なものです。

 景気の気の字は気分の気とよく言われますが、実はこれが案外大事なことなのです。思い起こせば1990年元旦の朝刊、気が狂ったかのような熱狂の中に終わった1989年大納会の後のお正月の新聞には「急激な円安進む」などという文字が躍り、年明け早々気分は暗転、「何か嫌な流れが始まりそうだな」と予感がしたことを覚えています。そして大バブルの崩壊が始まりました。そんなことが何度もありました。

 昨年2009年正月は新たな驚きはなかったものの、「この金融危機はどこまで悪化するのだろう」と、底の見えない闇の入口に立っているような気がしており、お屠蘇を飲んでも、お餅を食べても、気分が晴れなかったことを覚えています。強いて言うならば、オバマ米国大統領就任へ一方ならぬ期待を寄せていたということでしょうか。

 翻って今年2010年お正月、地政学的なリスクに絡む幾つかの悪い話などが聞こえてきていますが、大きく不安を(新たに)掻き立てるようなニュースはありませんでした。この数年間で相当あらゆることに免疫力がついたからという穿った見方もできるかも知れませんが、新たに予期せぬ悪材料が出てこない限り、「この日本を立て直していく」ということが2010年株式市場のメインテーマになるように思います。

 株価は先々を織り込みに行くものです。もちろんこの先に未知の悪材料が飛び出してくるリスクまでを否定はしませんが、多くの悪材料が周知となり、そして既知の悪材料が修復されていく過程では上昇するものです。イラクとクウェートの湾岸戦争の時、最初にパトリオット・ミサイルが発射された瞬間に、日経平均先物は一気に反転して特別買い気配となってストップ高まで噴き上がったのですから。

 2009年の米国株式市場も端的にそれを証明してくれました。金融危機の震源地が米国であったことを考えると、彼の地の株価が大きく上昇したことも心に大きな支えとなります。年が変わり、いきなりブル相場になることなどはあり得ませんが、少し長めの目線で2010年相場を考えると、こんな見方もできるのかなと考えます。

 この1年を良い年にしたいと心から願いつつ、気を引き締めて市場と向き合っていきたいと思います。本年もよろしくお願い申し上げます。

「大島和隆からの手紙」からの投信アイデア

≪2009年の日経平均年足は+17.6%の陽線≫

■2010年の日本株へ期待

MHAM株式インデックスファンド225
MHAM株式インデックスファンド225

日本の金融商品取引所に上場されている株式に投資する。日経平均株価採用されている銘柄の中から200-225銘柄に、原則として等株数投資を行う。

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PROFILE

大島和隆

楽天投信投資顧問株式会社 CEO兼最高運用責任者
約20年間にわたり、欧米の企業も自ら訪問調査するファンドマネージャーとして活躍。日本企業を外から見た目線で評価する独自の判断にこだわってきた。
2008年6月、楽天証券経済研究所チーフストラテジストに就任。2009年4月から現職。運用サイドからの投資情報を発信。

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