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■第10回 RCI

今週は「RCI」をご紹介します。
「RCI」はRank Correlation Index(順位相関係数)と呼ばれ、時間(日)と価格に順位をつけ、その相関関係から売買のタイミングを判断しようとするものです。

例えば、
9日間の例で見ますと9日前は9、8日前は8....当日は1と「日にちの古い順から機械的に数字を割り振り」ます。
価格は「高い順から1、2、3....9」と割り振ります。
それを以下の計算式に当てはめ相関係数を出します。
※マーケットスピードの「RCI」は「9日」と「27日」の2本があります。

【計算式】 RCI=100×{1−6S/T(T2乗ー1)}
  S=(期間中の順位−価格の順位)2乗の9(又は27)日間の合計
  T=9(又は27)

ここでマーケットスピードのデータを使って実際に計算してみましょう。

【設 定】=9日の例
○銘 柄 名 : ソニー(コード6758)
「投資情報」の「時系列情報」を開きます。
そして、「日付」と「終値」の情報だけを抜き出し順位を付けます。

日付 期間順位 終値 価格順位
2002/2/20 1 6,000 5
2002/2/19 2 6,150 1
2002/2/18 3 6,040 3
2002/2/15 4 6,030 4
2002/2/14 5 6,050 2
2002/2/13 6 5,920 6
2002/2/12 7 5,900 7
2002/2/8 8 5,710 9
2002/2/7 9 5,720 8


上記から2002年2月20日現在のRCIを計算しますと S=(1−5)2乗+(2−1)2乗+(3−3)2乗+(4−4)2乗+(5−2)2乗+(6−6)2乗+(7−7)2乗+(8−9)2乗+(9−8)2乗
 =16+1+0+0+9+0+0+1+1
 =28
T=9日

上記の数字を計算式に代入します。
RCI=100×{1−(6×28)/9(81−1)}
   =100×{1−168/720}
   =76.66....%
   ≒76.7%

では、この値をマーケットスピードのテクニカルチャートで確認してみましょう。
【設 定】
○銘 柄 名 : ソニー(コード6758)
○期 間 : 20010913〜20020220
○チャート : 1層チャート「RCI」
としてご覧頂くと20日の「RCI」の位置が上記で計算した「76.7%」にあることがお分かりいただけると思います。

RCIの仕組みを理解する為にもう少し、この順位相関について考えて見ましょう。
もし、「時間の順位と価格の順位が全く同じ」だったらどうでしょう?
「時間の順位と価格の順位が全く同じ」場合は期間が新しくなるにつれて毎日価格が上昇していることを意味し、「時間の順位と価格の順位が相関してる」事を表します。また、RCIは「100%」になります。→A
もし、「時間の順位と価格の順位が全く逆」だったらどうでしょう?
「時間の順位と価格の順位が全く逆」の場合は期間が新しくなるにつれて価格が下落していることを意味し、「時間の順位と価格の順位が逆相関している」事を表します。また、RCIは「−100%」になります。→B

この様にRCIは時間の順位と価格の順位の相関関係を数値化して売買判断の目安にしようとしている指標なのです。

それでは最後に実際の売買判断ポイントを見てみましょう

<売買ポイントの見方>
【例1】
「9日」と「27日」の2本の線が<100%近くで上から下にクロスした場合>は上記の相関関係Aから「売りシグナル」と判断します。
【例2】
「9日」と「27日」の2本の線が<−100%近くで下から上にクロスした場合>は上記の相関関係Bから「買いシグナル」と判断します。
【例3】
また、「RCI」の「9日」線が<マイナスからプラスに入った>ところは「買いシグナル」、逆に<プラスからにマイナス入った>ところは「売りシグナル」と判断します。

【設 定】
○銘 柄 名 : 本田技研(コード7267)
○期 間 : 20010119〜20010901
○チャート : 2層チャート「上段ローソク足、RCI」

【解 説】
<上記の例1>
ローソク足が2001年3月26日に高値をつけた時、「RCI」の「9日」線が70%前後のところで「27日」線を上から下にクロスし、売りシグナルとなった。
<上記の例2>
2001年6月4日にローソク足が「押し目」を付けた時に、「RCI」の「9日」線が−50%前後のところで「27日」線を下から上にクロスし、買いシグナルとなった。
<上記の例3>
0%ラインに線を引いて見ると「0%ラインを下から上に突き抜けた場合」は「押し目」からのリバウンドを上手く捕捉しており、また、その逆に「0%ラインを上から下に突き抜けた場合」は「利食い」ポイントを上手く捕捉していると言える。

<RCIを使用するに当っての注意点や特徴のまとめ>
【例1、例2の注意点】
銘柄によっては2本線の採用期間が合わないものがあり、クロスポイントを売買シグナルにすると若干遅れる場合がある。
【例3の特徴】
短期で売買判断をする場合、9日線を使用した方が遅効性は回避できる。
となります。

次回は「DMI」をご紹介いたします。

以上
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